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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2020/10/27 

Vol.105  「バードウォッチング」

執筆 足助病院職員

病棟係長 小澤裕子

突然ですが、ウロコインコのゴマちゃんを覚えていますか?(Vol.90で紹介させて頂きました)約1か月前の暑い平日に事件が起きました。
その日私の勤務は休みであり、子供達はコロナウイルスで休校であった分の半日登校でした。
子供達を送り出し、「鳥小屋を洗おうかなあ、洗車もしようかなあ」などと、半日の自由を満喫するプランを考えていました。
そして、玄関を開け第一歩を踏み出した時、私の頭の上を同じタイミングで何かが出て行った感じがしたのです。
外を見ると、大空へ飛んでいくゴマちゃんの姿が・・・。
一瞬で絶望に変わりました。そして日没までのバードウォッチングが始まったのです。
室内での放鳥時間の8割くらいは同じ止まり木で過ごしているゴマちゃんに油断していたのです。
自分を責めながら、カゴに入っている3羽のセキセイインコと共にゴマちゃんを呼び続けました。
結局日没には山を越えて行ってしまいました。
我が家は山間部であり、鹿や猪が庭に出るような所です。家の前には川もあり、よく鳶も飛んでいます。悪い想像ばかりが頭に浮かびました。
そして、子供達に責められながらその日は就寝しました。
翌朝、日の出と共にまた3羽のセキセイインコを連れてゴマちゃんを探しました。
呼び始めて2時間くらいすると目視出来る所まで帰ってきたのです。最後はカゴまで帰ってきて、無事保護できました。
初めて飛び立ったゴマちゃんは、上空から我が家を見るとぽつんと一軒家状態だったと思います。
大冒険をしてきたゴマちゃんは帰宅するとお腹を空かせている様子で食事を始めました(写真がその時のものです)。
そして食後は安心して眠っていました。無事に帰ってきてくれたので私も安心して仕事に向かう事ができました。
今回はまさか自分の家の鳥を双眼鏡で一日中見続ける事になるとは思ってもいませんでした。
野鳥もいますが、幸いにも鳴き声で区別ができ、セキセイインコの呼びかけで返事をしているかの様に声を出してくれていました。
人間の幼児と同じくらいの知能があるとはいえ、今回は本当に運が良かっただけだと思います。
鳥は飛ぶもの、「逃げる」のではなく室内の他のドアを同じ認識で「出た」だけであること、私の不注意で生命の危機に立たせてしまった事を反省し、思い込みと不注意の危険性を再認識させてくれました。
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