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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2021/12/07 

Vol.164  「被災訓練」

執筆 足助病院職員

企画課長兼施設課長 日比敦郎

!?防災訓練? 避難訓練?
いえいえ、被災訓練です。
避難訓練は災害から身を守る訓練、防災訓練は発災後の超急性期において安否確認やBCP発動するまで(一般家庭であれば、自宅の損傷状況やインフラの確認ですね)の訓練です。
被災訓練という言葉は一般的に普及されているわけではなく、実はオリジナルです。
地震などの災害によって、ひとたび電気や水道などがストップすると数日間は復旧しないことがほとんどです。となると、日常生活がかなり制限されてきます。
そこで「被災訓練」です。避難訓練などとは異なり、インフラなどが制限された状態で「生活する」訓練です。これを先週末に我が家で行いました。
今回は電気・水道が止まった想定で訓練を実施しました。(我が家はオール電化なので都市ガスは元々ありません)
まずは浴槽に水をためます。水道は止まっている想定なので、給水車が来た前提ですね。
この水はトイレ用です。
娘たちに事情を説明して、用を足した後の流し方を教えます。バケツの水を勢いよく流し込む必要があるので中々難しいですね。
下水道が詰まっていなければ、小バケツ1杯分の水で流すことができることが分かりました。
食事は携帯ガスコンロでお湯を沸かし、アルファ米を中心に準備しました。
非常食は1食あたりのボリュームが多めなので、子供は完食することが難しいですね。
このように、自宅で過ごすための課題を一つ一つあぶりだしていきました。
我が家の備蓄・装備もまだまだであることがよく分かり、暗くなる前に照明器具と電池を買い足しに行きました。
今回は初めての訓練だったので、条件も色々緩和しましたが、万が一の時はそんな甘いことは言っていられません。
今後も季節ごとに継続し、子供たちにも防災・被災後生活について教えていきたいと思います。
もっとも子供たちはなんちゃってキャンプみたいで楽しそうでした。
私も電気が使えないのでギターを弾いて過ごしました。

当院院長も言っています。「医療は非日常、介護は日常。どちらのサービスも受ける側の想いに寄り添って提供していきたい。」
被災後の生活もまさに日常です。今回は我が家でしたが、職場となるとまた話が変わってきます。
非常時においても足助病院として少しでも良いサービスをお届けできるよう、準備・研究を続けていきたいと思いました。
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