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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2022/04/26 

Vol.187  「燕との闘い」

執筆 足助病院職員

企画課長兼施設課長 日比敦郎

毎年この時期になると、施設課は燕との闘いが始まります。
一般的に益鳥とされる燕ですが、天敵となる猛禽類やヘビから身を守るため、敢えて人気の多い場所を営巣地として選ぶので、病院などは燕にとって一等地となります。
とは言え、施設課も燕のパターンはよく研究しているので、事前に営巣地となりそうな箇所には様々な細工で燕が留まれないようにしています。
これが中々の効果で、今年はどこにも巣作りされないなと一安心もつかの間、彼らも間隙を縫って巣を作ろうとしていました。
燕にとって今年から新登場のサンルームですが、その柱の一角に早速巣作りを始めていました。
サンルームの中は発熱外来です。さらにその電源をまかなうコードが走っているところに建築しようとしています。
そのスピードは凄まじく、わずか半日の間にいわゆる「土間」部分が完成しつつありました。
燕は巣が完成して産卵してしまうと撤去できません。※詳しくは院長コラムVol.115をご覧ください。
あまり建築が進んでから壊すのも気が引けるので、早々に対応させていただきました。
撤去された巣の跡地?には数羽の燕が飛来し、抗議するかのように鳴いていました。
強制執行した身としてはいささか申し訳ない気もしましたが、燕も自然生物であるため、抵抗力の落ちた患者さんにとっては好ましくない菌も保有している可能性があります。
可哀想ではありますが、どうかご理解賜りたいと思います。
私の古い実家も昔は毎年のように土間内まで燕が飛来して子育てをしていました。
日中はだいたい祖父母が在宅していましたので、燕の往来を妨げないように玄関の戸を開けっ放しにしておいたものです。
燕が私の部屋まで迷い込んでしまい、家中パニックになったこともありました。
そんなことを思い出しつつ、当院にお越しになる燕さんには院内の目立たないところで営巣していただき、私どもと共存していけたらいいなと思う今日このごろです。
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