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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2022/05/24 

Vol.190  「ラジオのすすめ」

執筆 足助病院職員

リハビリテーション室長 中井 智博

1980年代に中学高校時代を過ごした私は、新しい音楽、映画、ライブなどの情報はラジオから得ていました。
ではテレビやスマホといった視覚からの情報収集が主流となっており、ラジオはなんだか古くさいイメージですね。
しかし、今でも私は約20分の通勤時間の車内では、ラジオを聴いていろいろな情報収集をしています。
ある日、ラジオで脳が鍛えられるといった話が耳に飛び込んできました。
職業柄、脳を鍛える=認知症の改善・予防と頭の中で結び付けられ、運転中ではありましたが興味を抱き、少し話に耳を傾けました。

「ラジオを聴き続けると脳にどのような影響を与えるのか」を実証するため、大学生8名を対象に1か月間1日2時間ラジオを聴取し続けて、MRI脳画像診断を用いて前後で比較した結果8名全員に記憶に関する部位に影響があったことが明らかになった、という内容でした。
私の経験による解釈では、耳からの情報は一度頭の中で映像化して、その場面を理解し、記憶しているのではないかと思います。
ラジオを聞くことで脳が刺激され、内容をより理解することで記憶が良くなるという事なのですね。
もう少し詳しく調べてみたら、「加藤俊徳著:脳を強化したければ、ラジオを聴きなさい。」という本にたどり着き、その本には脳の領域分類が以下のように区分されていました。
思考系脳番地:思考や判断に関係する脳番地
感情系脳番地:感性や社会性に関係する脳番地
伝達系脳番地:話したり伝えることに関係する脳番地
運動系脳番地:体を動かすことに関係する脳番地
聴覚系脳番地:耳で聴くことに関係する脳番地
視覚系脳番地:目で見ることに関係する脳番地
理解系脳番地:物事や言葉を理解するのに関係する脳番地
記憶系脳番地:覚えたり思い出すことに関係する脳番地

聴覚情報は、聴覚系脳番地、理解系脳番地、記憶系脳番地と深い関係があると記されていました。
その他にも、集中力が持たない、ネガティブになりやすい等の対処法など読みやすい本なので、興味のある方は一読してみてはいかがでしょうか。

視覚からの情報や文字でのコミュニケーションを取っている現代社会では、人に物事を伝えるのに言葉足らずになってしまったり、人から話を聞いて理解する能力が落ちているように感じられます。まずは聞くことが大切ではないでしょうか。
言葉だけで人に伝えなければならないラジオのアナウンサーやパーソナリティの言葉遣いや表現方法は大変参考になります。

脳を鍛えるためにラジオの生活始めてみませんか。
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