匿名係長
今回は私の考え方が180度変わった友人の言葉について書こうと思います。
私は大学生のとき、4年間学生寮に住んでおりました。
その学生寮に住んでいるとき、みなさんご存じの東日本大震災がおきました。寮の友人の中には、宮城県気仙沼出身もの人もいました。先輩や後輩みんながその友人の心配をしました。
「お前の家族は大丈夫か?」
「連絡がまったく取れん。」と友人は声を震わしてました。
しばらくして、被災者の家族ということで帰郷することができ、友人から両親が亡くなっている連絡がありました。
友人は4月から大学が始まっても帰ってこず、5月頃に静岡に帰ってきました。なかなか声を掛けられずにいたが、二人きりになるタイミングがあり
「大丈夫か?」
「うん・・・・しょうがないよ。」
「しょうがないって・・・」
「しょうがない・・・。しょうがないで片づけるしかないよ。俺と弟はもう振り返らないことにした。親もきっとそう望んでいるさ。」
私はこの「しょうがない」という言葉が、一般的なネガティブな意味ではなく、すごくポジティブで、力強い言葉だと感じた。
この日を境に、私にとってこの「しょうがない」という言葉は、どうすることのできない過去にずっと心を囚われるのではなく、今と未来を大事にし、前を向くことができる魔法の言葉になりました。