臨床検査技術科 舟橋こずえ
「ひざ」を「ひざんぽ」
祖母よ、「ひざ」後の「んぽ」って何ですか?
私の産まれは旧旭町の田津原で、当時から地元の年寄りに大変可愛がっていただき育ちました。
年寄りの使う言葉と標準語に違いがあることは理解していました。
年月が経ち、進学するために長野県松本市へ行くと、そこはそこで衝撃的な方言に出会いました。
アパートの大家さん「~~するずら?」え?ずら?日本昔話で聞く語尾に衝撃をうけました。
その他学生も北は北海道、南は鹿児島の与論島までお国がバラバラで、それぞれ地方の方言があるにもかかわらず、お互いの会話は標準語でした。
何となく方言に恥ずかしさと伝わりづらさがあり避けていました。
ただし、関西系の人は例外で積極的に方言を使用していました。就職のため地元に帰ってくると、祖母の口から出る何らや耳に残る言葉が・・・
「今日、長い草に引っ掛かって転んでひざんぽを打っただわ」
ん?「ひざんぽ」は「ひざ」のことで「んぽ」って何?「ひざ」で伝わるのに、わざわざ「んぽ」って文字数増やすの?
「んぽ」を当たり前に使う祖母や産まれも育ちも地元という人に、そんな疑問を問うことは野暮と思い、聞くことはせず、私は未だに疑問です。
「つくし」でいいのに、「つくしんぼ」
「赤子(あかご)」は「あかんぼ」
「ごぼう」を「ごんぼ」
この辺りは全国的な言葉ですから、「んぼ」は方言ではないのかもしれません。
「ひざんぽ」があれば「ひじんぽ」があると思いきや、それはありません。
「とんぼ」は「とんぼ」。問題ありません。
祖母の使っていた言葉で気になったのは他にもあり、
「ほほた」は「ほほ」のこと。「ほほ」で言い終わっても良いのにね。
究極は「しりたんぼ」。追加の「たんぼ」の方が「しり」の二文字よりも文字数が多いです。
祖母が生きていれば、115歳です。
今は仕事で患者さんと会話をしていても、その独特な語尾を耳にすることはなくなりました。
その語尾を使用する世代は祖母たちが最後の世代だったのでしょうか。
私はその語尾が可愛いと感じ、好きだでした。
その言葉が出ると会話が柔らかい印象を持ち、距離感も縮まり、話しやすく、会話が続きます。
言葉は少しの変化で印象が変わるので、難しい面もありますが面白いと感じました。