企画室長兼事務管理室長 日比敦郎
先週の続きです。
イベント後半は茶道体験です。
和菓子作り体験で「うぐいす」を作りましたが、このうぐいすを茶菓子にしてお茶をいただく体験です。
私は茶道経験が全くありませんでしたので、すべての所作が新鮮に映りました。
今回は所作を行うほうではなく、サービスを受ける側の体験でした。
あれ?これって体験というより見学では・・と思いましたが、私の無学さが露呈しました。
茶道は受ける側の作法も多く、覚えなくてはいけないこともたくさんあるというのがよく分かりました。
とはいえ、今回は~流とかの茶道ではなく、何らかの理由で正座ができない方のための「テーブル茶道」の体験でしたので、気楽に・・というと失礼かもしれませんがとてもフランクな雰囲気でイベントが進行しました。
テーブル茶道においてもやはり所作は決められており、お茶を点てるときはやはり緊張感が走ります。
そもそも知識がないので文字で上手にお伝えすることができなくて申し訳ないのですが、1杯のお茶を淹れるまでのあらゆる動作が丁寧に、切れ味鋭く(?)行われており、これも一つの芸術だなと思わされました。
受ける側の所作として印象に残ったのが、茶菓子をいただくときに一口大に割って食べるのですが、割った断面を観察するということです。
特に今回作った練り切りの和菓子は断面を見ることで、包餡の技術がよく分かるとのことでしたので、こんなところで繋がっているのだなぁと感心しました。
と同時に和菓子職人さんへのリスペクトが込められているのが伝わりました。
講師の先生は「和菓子作り体験をされて、その難しさが分かった段階でこの所作をするころで皆さんの感性、というよりアンテナがしっかり張られたと思います」とおっしゃいました。
確かに日常生活においても、知らないことには反応すらできません。
お茶を淹れる器も飲んだ後に鑑賞するのですが、どこの土を使っているのかは底を見ないといけないそうです。(底には釉薬がついていないため、本来の色が出るそうです)
底を見るにはお茶を一滴も残さず飲み干さないといけないのですが、そのために「吸い切り」というわざわざズズ~っと音を立てて飲み切るのが作法なのだそうです。
一つ一つの所作にしっかり根拠があるのですね。
相手を思いやるだけでなく、真に心を込めるためには知識と教養も必要なんだなと叱咤激励されている気分になりました。
和の心を通じて、相手を思いやるための教養とそれを身に着けるためのアンテナを張ることの重要性を知りました。
少しだけ、心が豊かになった気がした2つの体験でした。