企画室長兼事務管理室長 日比敦郎
みなさん、「へぼ」ってご存知ですか?私のことではないですよ!
当院周辺の地域にお住いの皆様にとってはお馴染みの「へぼ」ですが、一般的には良いイメージではない言葉ですね。
「へ」にアクセントをつけると、「ダメなさま」を表す言葉になりますが、「ぼ」にアクセントをつけると、今日のコラムのテーマになります。
このへ「ぼ」ですが、実はクロスズメバチなどの地蜂の幼虫を指します。いわゆるハチの子です。昔の当院診療圏も含めた中山間地域では貴重なタンパク源で、盛んに食べられていたようです。
佃煮のようにしてご飯に混ぜたり、甘露煮にしていたりしたそうですが近年はへぼを採取する方も減っており、高級食品として取り扱われているようです。
そんなへぼの佃煮を先日食べる機会があったので、本日はその食レポをお届けしたいと思います。
そもそも、なぜへぼを食べることになったかと言いますと、当院にて講演をしてくれた他病院のスタッフに対して、お礼も兼ねて夕食をご一緒させていただくことになりました。
足助地区のお食事処にお邪魔したのですが、そのお店でへぼがあり、せっかくなので食べましょうということになりました。
いよいよ実食です。
まず見た目ですが、小さめの個体で視力が悪い私には何がなんだがよく分かりません。もっとカブトムシの幼虫のような、いわゆる英語で言うと「ワーム」的なものかと思ってかなり警戒しておりましたが、見た目で「うわ~」ということは一切ありませんでした。
よく見ると、色や大きさなどかなり個体差があるように見えます。幼虫と成虫が混在しているような感じです。
一つだけ食べてみると、柔らか目の食感で特に味もしなかったので箸でひとつまみしたものを食べました。
味は佃煮のような甘辛さで、後から白身魚の脂のような上品な香りが漂ってきました。
これは美味しいです!「へぼ飯」というご飯に混ぜた料理もあるそうですが、確かにごはんと一緒に食べたくなる味です!
ということで一皿に少量しか提供されない高級品のため、少しずついただきましたがとても美味しくいただきました。恐らく料理の方法も上手だったのだと思います。
お店によってはカリカリに炒って味付けするところもあるとか・・・こちらも美味しそうですね。
昆虫食については現在の世の中で賛否両論ありますが、この料理はそんな論争が起こる遥か昔から受け継がれている伝統料理です。
皆さんも是非、機会がありましたら食べてみてください!とても美味しかったですよ。