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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2024/06/11 

Vol.299 「災害と向き合う その1」

執筆 足助病院職員

企画室長兼事務管理室長 日比敦郎

ようやく体調も戻ってきました。今日からは複数回に渡ってシリーズ長編コラムを寄稿したいと思います。
足助病院に赴任して、防災士資格取得を始めとして様々な防災に関する仕事をしてきました。
それぞれの過程を経て、私の災害あるいは防災に対する考え方も変わってきたので、この場をお借りして少し自分が思う災害との向き合い方について整理していきたいと思います。
長期間連載になるかもしれませんが、お付き合いいただければ幸いです。

自然災害には震災や風水害など様々なものがあります。
私が最初に大きな災害を意識したのは阪神淡路大震災でした。
当時高校1年生の私はトレーニングのため早朝より起床していました。
愛知県でも相当揺れた記憶があります。今思えば、実家がかなり古い家だったので揺れただけかもしれませんが、それでも相当な恐怖だったと記憶しています。
ニュースで神戸が大変なことになっていることを知りましたが、自分に被害がなかったのもあり、なんとなく他人事感覚でした。
1週間後くらいに、転校生が来ました。高校で転校というのはかなりレアケースだと思います。
私は同じクラスではありませんでしたが、聞けば震災で被災して一時的に避難してきたのだそうです。
親戚の方を亡くされたという話を聞いて他人事感覚でいた自分に複雑な感情が芽生えたことを覚えています。

阪神淡路大震災に関する記憶は以上です。
被害がなかったことと、高校生で野球のことしか考えてなかったのもあり、あまり深く考えていなかったのが正直なところです。
現在、神戸は近畿地方の大都市として復興しています。
しかし、簡単に復興したと言っても政府・民間ともにとてつもない資源を投入して今の形になったことを四半世紀過ぎてからようやく少しだけ理解できました。
やはり能動的に考えないといつまでたっても他人事のままなのでしょうね。
神戸市にある「人と防災未来センター」へ赴いたとき、いずれやってくる南海トラフに対してどんなことができるのだろうかと考えさせられることとなりました。

続く
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