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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2024/06/25 

Vol.301 「災害と向き合う その3」

執筆 足助病院職員

企画室長兼事務管理室長 日比敦郎

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震災から4年が経とうとしたころ、私は本部の施設課(現在の施設管理部)へ異動となりました。
全くの未経験領域の業務でしたが頼りになる(怖い)先輩方に色々と教わりながら必死に業務にあたっていました。
そのうちの一つに「防災体制の構築」がありました。東日本大震災の経験から、BCPと呼ばれる事業継続計画の重要性が叫ばれるようになっていました。
BCP自体は前任者が作り上げてくれていましたが、私の業務はそのブラッシュアップでした。
とはいえ、勤務したこともない事業所のBCP検証は難航を極めました。
南海トラフ発生時、どこの病院にどんな被害が発生してどのインフラにダメージが及び、診療可能レベルはどうなるのかという議論を各病院の施設課長さんとディスカッションしました。
今でも施設管理部はBCPの取り扱いに苦労されていると思います。
「想定外の想定」となるともう、思考が止まってしまいそうでした。
業務の対象が「モノ」であったため、当時の私は「ヒト」のことを全く考慮していなかったと思います。
当時の私は何となく「体制整えればいいんでしょ?」という態度だったような気がします。
本部内で「カネ」→「モノ」の順序で異動してきたので、そのような思考になるのも自然ではあるのですが、やはりここでもまだ「他人事」の感覚で仕事をしていたのでしょう。
とは言え、本部で勤務した10年間は受動的でありながらも知識蓄積のためには、大変有意義なものでした。

そしていよいよ足助病院へ異動となります。

続く
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