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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2024/08/27 

Vol.310 「災害と向き合う 最終回」

執筆 足助病院職員

企画室長兼事務管理室長 日比敦郎

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JMAT活動から帰還した私は、色々な感情が落ち着く前に記録を作成しようと静止画や動画を整理していました。
実は体調を崩していましたが、休むとやはり熱い鉄が冷めてしまうのでここは頑張りました。
院内発表用のスライド作成するうちに、やはり動画で残したい、しかも感情の赴くままに伝えたい想いが強くなりました。
病院のスタッフに留守をお願いしている立場でありながら、私的な感情を報告会で表に出すのは決して褒められたことではありませんが、少しでも分かりやすくお伝えしたかったので我が儘を通させていただきました。
院長始め他のメンバーはやはり医療職ということもあり、アカデミックな内容でスマートなプレゼンでしたが、私だけが素人感情むき出しの泥臭いプレゼンになってしまいました。
ただ、個人的には満足しています。

全12回に渡り、長々と災害との向き合い方(しかも私のプライベートな・・)について述べてきました。
災害は決して他人事ではなく、普段は見えないだけで常に自分の背中と隣り合わせです。
私は阪神淡路大震災から四半世紀以上かけて、ようやく災害の恐ろしさと覚悟が少しだけ身についてきたような気がします。
覚悟と言っても単純に腹を括るだけではなく、今この場で災害が発生した時にやらなければならないこと、足りないものを認識することが覚悟のような気がします。

これまでの私の災害との向き合い方はまさに紆余曲折という言葉が適切です。現在も正しい方向を向いているかどうかは分かりませんが、今は「人」を支援するために動いています。
「カネ」でも「モノ」でも「ヒト」でもなく、「人」を支援する。ここで言う「人」は被災した人のみならず支援する人も含みます。
支援されてパワーをもらった人は別の人を支援します。そうして大きな復興が進むことを学びました。
JMATで活動したからと言って驕ることなく、しかし卑屈になることもなく、目の前の課題をクリアにして、休むときは休む。

3カ月間に渡り、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ここまで読んでくださった皆様も是非、災害に目を向けていただき、できることから始めてください。
災害はすぐそこにあります。かと言って慌てることなく、正しく恐れて皆様なりの覚悟を一つ一つ決めていただきたいと思います。
失う怖さより前に進む勇気を常に意識できるよう、私も精進してまいります。

そして最後に・・・
今回の連載では写真を一切掲載せず、テキストだけでお伝えしました。
画像をお見せした方が伝わりやすいことは承知していますが、敢えて掲載しませんでした。
是非皆様なりの視点で災害と向き合っていただければと思います。


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