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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2024/09/17 

Vol.313 「涙に暮れた夏 後編」

執筆 足助病院職員

企画室長兼事務管理室長 日比敦郎

中京大中京の勝利を見届け、食事など休憩を取りながら熱戦の余韻にふけっていると、あっという間に第4試合となりました。
もう一つの母校、掛川西高校対日本航空山梨のいわゆる「富士山ダービー」です。
26年ぶり出場の掛川西はとんでもない数の応援団です。試合開始直前までアルプス席が落ち着いていませんでした。
とあるサイトで両校の地方大会の戦いぶりを調べた限りでは、私の戦前予想は日本航空有利でした。
しかしそんな私の素人予測はすぐに覆ります。1回表から掛川西が畳みかけ、先取点を挙げます。
すると、一塁側アルプスからライトスタンドにかけてお客さんは大盛り上がりです。恐らくほとんど掛川西高関係者なのでしょう。なにやら大合唱が始まりました。
高校野球通ぶってる私が、「1回表からいきなり校歌大合唱か・・・」とつぶやくと
隣の妻が「何言ってるの?これが掛高伝統の第2応援歌よ」
と誇らしげに話してくれました。
第2応援歌・・第1は恐らく校歌なのでしょうが、本当にそうなのかはとても質問できる状況ではありませんでした。
ただ一つ思ったのは、これほどの大声援に押された球児たちは本当に頼もしい思いでしたでしょうし、相手チームは本当に脅威だったと思います。
選手間の意思疎通で出す声が声援にかき消されるというのは、私も経験がありますが本当に脅威です。普段のプレーができません。
そんな中、シーソーゲームであった試合展開は終盤に動きます。
掛川西の畳みかける攻撃で一挙4得点を追加し、甲子園球場は「第2応援歌」の大合唱です。
声援を送る皆さんの顔は、ナイター照明の効果もあり本当に光り輝いて見えました。聖地で躍動する選手たちが本当に誇らしいのだと思います。
試合はそのまま掛川西高校が勝利しました。肩を組み、時には抱き合いながら喜ぶ応援団を見て、目頭が熱くなりました。

中京大中京、掛川西ともに勝利となり素晴らしい観戦日となりましたが、贔屓のチームの勝敗より大切なものを見られた気がします。
炎天下での試合について、現在様々な議論がなされていますがどうか選手ファーストで物事を決めて欲しいと切に願います。

3週に渡り甲子園シリーズをお届けしましたが、9月中旬になってもまだまだ猛暑が続いています。
皆様も体調管理には重々ご留意ください。
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