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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2024/10/29 

Vol.319 「落語」

執筆 足助病院職員

企画課長 磯野宏樹

先日、落語を聞きに行く機会がありました。
よく行くスーパーに落語イベントの案内ポスターが掲載されており、
落語をはじめとした芸能には全く縁のなく育ってきたものの人生経験の一つとして体験してみようと思いました。

落語の起源は江戸時代に遡るそうです。
当時は、浄瑠璃や歌舞伎の芸能の合間に芸人が客に向けて滑稽な話をする「口演」でしたが、
その後、明治時代に入り、東京の浅草や吉原などで芸人たちが「落ち物」と呼ばれる滑稽な話を演じるようになり、
現在の落語の形式が確立されました。戦後ラジオやテレビなどのメディアでも広く紹介され人気を博したものの、
最近は芸能自体の人気が落ちてきており、特に若者離れが目立つとのことです。

さて、当日会場に着くと、やはりほとんどがお年を召した方々でしたが、若い方々も多少なりともいらっしゃいました。
噺家さんは笑点でおなじみの春風亭一之輔さんの一番弟子、春風亭㐂いちさんで、
調べると自分とそう変わらないご年齢であり親近感を覚えました。
冒頭に㐂いちさんから期待しない、怒らない、無理して笑ってくださいと3つのお願いをされました。
「たまに若い女性と目があると緊張してしまいますが、今日は緊張しませんね」とお約束の話をされ、
聴衆から大爆笑が起きました。

「鯉の滝登り」、「サンマは目黒に限る」、「五貫裁き」という3つの小噺をしてくださいました。
どうやらいずれも落語界では有名な話のようでしたが、教養がない自分は恥ずかしながら3つとも言葉の意味を知りませんでした。
しかしながら、㐂いちさんの身振りと手振り、声の強弱から㐂いちワールドに引き込まれていき、場面を想像しながら
皆さんと同じ場面で一緒に笑うことができました。

教養はなくても落語の良さは楽しむことはできます。
またの機会があればぜひ挑戦してみようと思いました。
ちなみに㐂いちワールドに引き込まれたその日の夕飯はサンマを焼いてみました。
オチにもなっていませんが…
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