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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2020/05/19 

Vol.79  「食塩のとりすぎに気を付けましょう」

執筆 足助病院職員

栄養科 川瀨文哉

こんにちは。管理栄養士の川瀨です。

最近さまざまなところで「減塩」という言葉を聞きますね。
多くの人が食塩のとりすぎは健康に悪いということは知っていますが、その一方で自分がどのくらい食塩をとっているのかについて知っている方は少ないかと思います。

2010年の世界187か国における国際比較研究では、日本は上から15番目に食塩を摂取している国として報告されています。
その研究では日本人は平均で一日あたり12.4g食塩をとっているとされていて、一方で最も食塩をとっていない国はケニアであり、一日あたり3.8gと日本と比較して1/3程度ととても少ない結果でした。

このデータだけではいかにも日本人は食塩をとりすぎだなと感じてしまいますが、日本人も努力しています。
別の研究では1950年代には日本人は平均で食塩を一日あたり21.6gもとっていましたが、2010年代には一日あたり10.8gへ減少したと報告されています。

これらの研究において食塩摂取量が微妙に違うのは、算出方法の違いによるものなので、なんとなく私たちは最近食塩を一日あたり10~12gくらいとっているのだなと考えていただければOKです。
では、私たちは食塩をどのくらいとるのが健康に良いのでしょうか?

様々な基準がありますが、厚生労働省から出ている日本人の食事摂取基準(2020年版)を参考にしてみます。ここでは生活習慣病の予防を目的とした目標量という量を定めており、食塩の基準は男性で一日あたり7.5g、女性では6.5g未満となっています。現在特に病気でない方で、将来の生活習慣病を予防するにはこのくらいを目指すのがよさそうです。

では実際の料理に当てはめてみましょう。
例えば、一般的な1人前の量で考えた場合、汁物はおおよそ2g、煮物のおかずで1.5~3g、麺類を食べると6g程度は食塩をとってしまいます。
まず第一歩として、汁物や漬物は一日一回以下とし、食事もインスタント食品ばかりにならないように気を付けましょう。
せんべいや塩気の多いおやつにも要注意です。

ここでひとつ提案です。
連休中に1食だけでいいので、食塩をほとんど使わない食事をしてみませんか?外食ではどうしても食塩をたくさんとってしまいますし、調整もなかなかできないので減塩をするには自炊が最適です。
もちろん出汁をきかせてお酢や香辛料を使うと意外と塩がなくてもおいしいものですよ。
また、ふだんこんなにたくさん食塩を使っていたのだと気づく良いきっかけになるかもしれませんね。
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