ニュースなどでよく見聞きする衛星に“気象衛星ひまわり”があります。
かつて触れた“だいち”と何が違うのかを少々解説します。
まずは、存在している高さが全く違います。
更には、地球から見て静止して見えるか動いて見えるかの大きな違いもあります。
ひまわりは〝静止気象衛星〟で、赤道上空約36,000km の軌道上で地球の自転と同じ周期を持つので赤道上空に静止して見えます。
低気圧や台風の雲など数千Kmのスケールの様々な大きな動きを常時監視できます。
一方、〝極軌道気象衛星〟は低高度を短い周期で地球を南北方向に周回する軌道を持つので観測範囲は狭くなりますが、1日2回程度定点の上空を通り高解像度の画像が得られます。
そのため、両方の衛星情報の組み合わせが大切です。
ちなみに「ひまわり」は、可視センサ・熱赤外センサ・中間赤外センサの3観測装置を搭載し可視画像・赤外画像・水蒸気画像などの衛星画像が作られます。可視画像は、視覚的にわかりやすい画像ですが雲や地表面によって反射された太陽光を観測した画像なので当然ながら夜には弱いです。赤外画像は、雲、地表面、大気から放射される赤外線を観測した画像で表面の温度等も反映します。水蒸気画像は大気中にある水蒸気と雲を反映するので、上空の大気の湿り具合を表します。これらの画像の特性を生かして上空の大気の状態を解析して気象予報に利用します。
衛星画像は気象予報士試験で必出問題ですが、最近では気象庁のホームページで簡単に見ることもできますし、ニュースでもそれぞれの特徴を生かし合成した画像も見られますので一度気を付けてみてください。
意外に身近にあり、なかなか興味深い画像・動画が多く掲載されています。
是非、ご覧あれ!