伊勢正三さんの名曲“なごり雪”をイルカさんが歌い、大ヒットしたのを1975年で、当時の私は、今は無きラジカセで聞いていた世代です。
私のSaxレパートリーにも入れていますが、今日は自然現象の“なごり雪”についてです。
一般的に“なごり雪”は、春になっても消えずに残っている雪と春に降る雪の2つ意味があります。
しかしながら“なごり雪”は気象用語ではなく、気象では、最後に降る雪は“雪の終日”と表現されます。
なごりは漢字で名残と書き、意味は「あることがらが起こりすでに過ぎ去ってしまったあと、その気配や影響が残っている」です。
さて漢字の「名」由来はどこにあるのでしょう。
昔、「なごり」は浜や磯などに打ち寄せた波が引いたあと、あちこちに海水が残っている状態を言い、「なごり」とはまだ波が残っているので「波残」、読みが変化して「なごり」になったようです。
「なごり」には「余波」の漢字が当てられていましたが、「な」の音を表す当て字で、「名」が使われて「名残」となったとされています。
前述で気象用語ではないと記載はしましたが、日本気象協会発刊の
【季節のことば : 「季節のことば36選」と「二十四節気ひとこと解説」】
の中では、伝統の二十四節季のほかに季節を感じることばを集め、3月の季節を表すことばに“なごり雪”が選ばれています。以下、ご紹介いたします。
「季節のことば36選」
1月 初詣、寒稽古、雪おろし 2月 節分、バレンタインデー、春一番
3月 ひな祭り、なごり雪、おぼろ月 4月 入学式、花吹雪、春眠
5月 風薫る、鯉のぼり、卯の花 6月 あじさい、梅雨、蛍舞う
7月 蝉しぐれ、ひまわり、入道雲、夏休み
8月 原爆忌、流れ星、朝顔 9月いわし雲、虫の声、お月見
10月 紅葉前線、秋祭り、冬支度 11月木枯らし1号、七五三、時雨
12月 冬将軍、クリスマス、除夜の鐘
今後、異常気象は“なごり雪”を4月や2月に変えるのでしょうか?
4月の季節の言葉にありましたね、新人諸君! “春眠”が! zzz・・・・・