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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2023/06/08 

Vol.396 「あすけお天(元)放談 episode 6 -気象予報の作法-」

執筆 院長 小林真哉

一般的な天気予報は、正式には「府県天気予報」と言われ、地域ごとに細分した単位で、毎日5時、11時、17時に「今日・明日・明後日の天気と風と波、明日までの6時間ごとの降水確率と最高・最低気温の予想」が発表されます。

気象予報の作成は以下のような手順を踏んで行われています。
1. 気象状況が観測され、データの処理がされ資料としてまとめられます。
2. 作成された実況天気図で現状が把握されます。
3. 作成された予想図で変化を解析して予報を作成します。
4. 特徴的な(非特異なものも含め)事象の考察を加えます。
5. 防災事項を確認します。
6. 天気予報の利用者・一般の方に情報提供をします。
1-6のプロセスを淀みなく、正確に繰り返していく作業なのです。

気象用語で皆さんが疑問に思うことが多いとされる用語に幾つか触れてみます。

【晴れ時々雨と晴れ一雨の違い】
雨が断続的に発生し、発生した時間が予報
期間の二分の一未満であるときは「時々」、雨が切れ間なく発生し、時間が予
報期間の四分の一未満であるときには「一時」と定義されています。

【0時から6時までの降水確率が50%とは】
予報区内で1mm以上の雨の降る確率を、6時間毎に10%単位で発表しているので、期間内に1mm以上の雨の降る可能性が100回中50回あるという意味です。確率が高いと雨量が多くなるという意味ではないので少々混乱します。

コラムを書いて改めて記憶を整理していますが、気象予報士受験当時はこのような細かい定義をほぼ覚えていたことと忘れることの速さに少々、驚いた次第です。でも、忘れた分だけ新しいことに挑戦したり、覚えたり、SAXのレパートリーが増えたことでいいのかなと現状を甘受しています。
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