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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2023/07/20 

Vol.407 「39.1度」

執筆 院長 小林真哉

『体温を上回る気温に注意してください』ニュースでのアナウンサーのこの呼びかけは最近では当たり前に耳に目にするようになってしまいました。

私の外来に通っている方々は、春から外来終了時に
『熱中症と転倒に気を付けてね。お大事に』の言葉が耳に残っていると思いますが、今年もこの暑さに触れないわけにはいきません。
毎年この時期のコラムには高温について触れていますが、年々、体感は酷くなっています。

最近頻発される〝熱中症警戒アラート〟は環境省と気象庁が令和3年4月下旬から熱中症の危険性が極めて高くなると予測された際に、危険な暑さへの注意を呼びかける警報です。
熱中症との相関が高い「暑さ指数」を用いています。
暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)とは、人体と外気との熱のやりとり(に着目した指標で、人体に影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。摂氏度(℃)で示されますが気温とは異なりますので注意が必要です。 暑さ指数31以上は危険のカテゴリー(最も高い)で高齢者は安静でも熱中症が発生する危険性が大きく外出は避け涼しい室内に移動するべきとされています。
ちなみに豊田市の7月17日月曜日の14:00のWBGTは32.2度でした。その時、豊田市の最高気温が表題の39.1度と全国で最高を記録しました。

思い起こせば、コラムVo.4『56.3℃と56.9℃』の書き出しは以下でした。
【2018年の夏は記録的な猛暑となりました。全国で軒並み40℃を超える地域が出て熱中症対策が大変でした。我々医療の現場でも年齢・性別問わず体調を壊し救急搬送される方々が続出しました。その他にも記録的豪雨・今までにない進路をとる台風・地震等自然の変化・脅威を感じる年でした。】

4年経ちましたが、自然の脅威が確実に増しているのを実感しています。
『備えあれば憂いなし』と言われますが、憂いなしのレベルをはるかに凌駕してきています。
となれば、更なる備えに知恵を絞るしか他は無いようです。

足助病院でも〝気防健究会〟(気象と防災と健康を究める会)を核として様々な発信をして参ります。

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