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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2023/07/27 

Vol.409 「雹(ひょう)」

執筆 院長 小林真哉

今回は、前号で触れた講演時の2人目の質問の対する復習です。
日頃から、多趣味・博学で、山岳登山・撮影が趣味のベテラン先生からのご質問は、たまに遭遇する天から降る氷の塊についてです。表題の雹のことです。
ちなみに、雹の漢字のつくりは氷を水が包んでいるから雨に包で雹です。

雹は直径5ミリ以上の氷の粒が大きくなった氷の塊で、あられ(霰)は直径5ミリ未満の氷の粒と定義されています。
で、『雪やこんこん、あられやこんこん』は成立するのですね、雪やこんこん、ひょうやこんこん』では危険すぎます。

米国では2010年7月23日に直径20㎝超の雹が観測され重さは0.87kgとされています。
世界最大の雹は日本で1917年(大正6年)6月29日に埼玉県大里郡熊谷町(現:熊谷市)に降った直径29.6 cm、重さ3.4 kgとされています 。
ゴルフボール大の雹の速度は時速100kmとされますので、直撃されたら大変なことです。

雹は、最初は小さな氷の結晶で、積乱雲の中の上昇気流と下降気流によって雲の中にある細かい水や氷の粒が付着することで、氷の結晶は大きくなります。
ある程度の大きさになると、上昇気流よりも落ちる速度の方が大きくなり、氷の粒のまま、地表に降り落ちてくるのです。
真夏は気温が高いため雨となり、冬は積乱雲が発達しにくくあまり降らず、5~6月や10月など春や秋に降る事が多いようです。

特に5月は強い日差しによって地上気温が上がりやすく、上空に大陸からの寒気があると、空気の上下移動が激しくなり大気が不安定になります。
そのような訳で、全国的に5月の雹が多いのです。

身近なところでは雹による車のボンネットの傷被害などがあります。
運が良くないと立体駐車場等には避難できませんが、自然現象に抗わず
ひょうひょうと過ごす〟という訳にはいきませんわね!


飄々(ひょうひょう)とした人とは、周りに流されず、物事に動じない、自分の考えに固執しない人などを表します。

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