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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2023/08/03 

Vol.411 「保湿と保水 続編」

執筆 院長 小林真哉

お肌の保湿のお話の後は、土地の保湿・保水のお話です。
渇水で森林が枯れてしまっては大変ですが、近年の日本ではむしろ水を貯えきれずに起こる土砂災害が問題となっています。
森林保水の力は土壌の効果のみならず土中から水を吸い上げる樹木の役割も大きく、保水機能を持っている保水地域の伐採や森林保全が大きく影響します。
いくつか、人智を駆使した試みをご紹介いたします。

【遊水地】 
洪水を一時的に貯めて、洪水の最大流量(ピーク流量)を減少させるために設けた施設のこと。
【防災調整池】
 河川への流出量の増大を抑制するために雨水を一時的に貯留する施設を防災調整池とのこと。
水田などは雨や洪水のたまり場として川の洪水を少なくします。
当然、豊田市にも素晴らしいプランがあります。豊田市建設部河川課が出している「豊田市総合雨水対策マスタープラン」の概要版はとても読みやすく、ためになります。
将来的には1時間80mm程度の降雨を対象にされ、2040年に完成を目指しています。
ちなみに1時間80mmの雨量は、天気予報では「猛烈な雨」と表現し息がしにくくなるほど恐怖を感じるとされています。
空のバケツを置いておくと1時間に8cmの深さまで溜まるということです。
掲げられている5つの項目は、洪水を安全に流す・洪水量を減らす・水害を増やさない・水害に備える・安全に非難するに着眼点を置いての施策です。
4番目の水害に備えるについては日頃より水害に備える防災意識の更なる向上を目指していますので、足助病院の気防健究会の活動も貢献できます。
【治山事業】
森林土壌は小さな隙間を多く有しスポンジのような役割も果たします。
山地災害を防止するために治山施設の設置や重要な水源地や集落の水源となっている保安林等で、浸透・保水能力の高い土壌を有する森林の維持・造成がされています。
この森林との関わりは、水資源の貯留機能と大きく寄与します。
 
豊田市の年間降水量は愛知県内で31位ですが、北東にある新城市は1位です。上流で降った雨が集まり川に注いで流れてくる道理なので注意は必要です。
梅雨が明けての猛暑が続きます。
まずは、熱中症に注意してお過ごしください。その後に台風シーズンが到来しますので、皆様、風水害にご留意ください。

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