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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2023/10/23 

Vol.432 「嚥下食と離乳食」

執筆 院長 小林真哉

普段は意識することなく過ごしている「ものを飲み込む」という動作のことを一般的に嚥下と言います。
医学的には食べ物と認識して咀嚼して胃まで送り込む複雑な仕組みのことです。様々な病態や、加齢に伴い嚥下の機能が低下して、好きなものを美味しく食べられなくなる事態に対応する食形態が嚥下食で飲み込みやすいように形態やとろみ、食塊のまとまりやすさなどを調整したものです。
形態や柔らかさ等は離乳食に似ていて、形態・柔らかさには段階があり、離乳食は年々グレードアップ(固くなる)するイメージ、嚥下食はグレードダウン(柔らかくなる)するイメージです。

足助病院でも管理栄養士やリハビリ技師を中心に摂食嚥下チームや栄養サポートチーム、栄養科で様々な栄養指導や地域啓発活動を行っています。
なんとなく、飲み込みにくくなった・むせやすくなった・食後に咳がでる・食べ物が降りにくいなどの症状の方、お気軽に足助病院内科にご相談ください。
外来で簡単な問診・検査をして診察して、その後、必要に合わせて精密検査をご提案しています。周りで気になる方が見えれば教えてあげてください。

足助病院では扱っていない離乳食ですが、人間の世界だけではありません。
乳中心の乳児食から固形食に移行し、さまざまな食材から栄養が摂れるようになる練習をするのが離乳食の目的ですが、動物の世界では、親が子へ部分的に消化された食物の吐き戻し行う例が、哺乳類ではイヌ科の数種とカヤネズミにおいて観察されています。
カヤネズミの親は子に対して分娩直後から泌乳期間中に吐き戻しを行うそうです。
分娩後 9 日目以降は子のおねだりにより助長されことからも吐き戻し物は子にとって“離乳食” と考えられています。
動物の世界にも、離乳食があるのです。

ん? 人間同様に動物も加齢とともに器官が衰え摂食嚥下障害になる通りです。
ありましたね!ペットは家族同様と言いますから、ペットの食事介助・流動食などもいろいろ工夫されているようです。

口から物を食べるということはとても大切なことです。
8020運動(80歳で自らの歯が20本あることを目指す運動)だけではなく、口腔ケア、パカタラ体操(誤嚥を防ぐ体操で口・舌を鍛える運動)なども大切です。

また、ご相談ください!

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