2023/11/09 Vol.437 「異業種連携 (漏水確定診断編)」 執筆 院長 小林真哉 漏水事案の引き続きで、地中の水道管の破裂部位の同定の行程に入ります。 最初の過程は、住民の聞き取り、現場目視確認です。 いわば問診・視診ですね。 次は触診・聴診です。 10㎝程度の釣鐘状の器機に電気コードとヘッドフォンがついているものを地面に当てて聞き分けていきます。 コラムVol.149:〝百見は一経験にしかず〟ですので、作業終了後にお願いして体験させてもらいました。 もともと、聴診というものに慣れていることもあるのでしょうが、通常に流れている水道管の水の音と破裂して勢いよく外に漏れている音の違いを私も少々聞き分けることが出来ました。 ザーという音がゴーに変わる場所があり、その音の強弱でポイントを絞るわけです。 我々の医療の世界での、症状⇒問診⇒聴診・打診・触診に極めて似ています。 それから、地中にドリルで穴を空けて、更に長い鋼製の聞く器機を挿入して精密精査です。 我々の医療の世界では腹部超音波・胃カメラなどの精密検査です。 プロセスは医療の診断学にとても似ていて、興味深く飽きもせず炎天下ずっと観察し日焼けしてしまいました。 業者の方々も折をみて解説してくれて終始和やかな作業風景でした。 素人判断では、地中深く埋められている水道管が破裂して漏水しているのなら、大きな工事になって長時間断水などの不自由が生じるのだろう、水をためとかなくてはと思惑を巡らせましたが業者の方曰く、 『漏水場所が間違いなければ、半日で終了します』と 「へっ? 歩道を掘り起こして作業するのに?」 そこからは、日傘を持参して腰を据えての観察です。 ユンボ(小さなシャベルカー)登場で、早速、掘削作業です。 掘り進めると、泥水があふれてきます。強力なポンプ投入で水面が下がったところで澄んだ水の中から水道管と裂け目から噴き出す水を目視したのです。 漏水ポイント見事的中でした。 つまり診断があっていたわけです。 そこから、一時、近隣を断水処置して水道管交換作業ですが、工程が的確なのでほぼ生活に支障の出ない範囲での断水でした。 作業の方は、最終的に現状復帰(簡易アスファルト舗装)まで行いましたので、我々の世界でいう診断から治療までした感じですね。 最初から立ち会ったおかげでとても勉強になり、興味深いコラムのネタになりました。 次は漏水(水道管に亀裂の入った)の原因についてのコラムです。