最後は、水道管に亀裂が入った原因についてです。
医療の世界でも管腔が詰まったり破裂したりする疾患は多数存在します。
私の専門分野でもある消化器内科の領域では、腫瘍などで腸管が詰まる腸閉塞、潰瘍などで穴が開く胃腸の穿孔。
循環器・脳神経内科領域では、心筋梗塞・解離性大動脈瘤・閉塞性動脈硬化症・脳出血・脳梗塞などの血管に関わるものです。
これらに疾患は、生活習慣病などの基礎疾患のコントロール不足が原因で腸管や血管が破綻することです。
では、今回の水道管の破裂(正確には亀裂)にはいかなる原因があったのでしょうか?
「比較的新しい住宅地ですので水道管の経年劣化は考えにくい?もしそうであれば、これからいろいろなところで発生する?」と疑問が噴出です。
水道管はかつて鉄管をよく使用していたようですが、現在はプラスチック樹脂製のHIVP管とポリ管(ポリエチレン管)に2種類が主流で、共に取り外し・取り付け対応が非常に簡単で、熱や振動・化学物質などにも比較的強く、水道流量の需要増加と共に口径20mmの物が多用されているそうです。
となると、そう簡単には破綻することはないはずなのに、今回はなぜ?
「皆さん!原因わかります?」ここで次号のコラムにつなぐのも一興ですがまだ余白がありますので解説いたします。
なんと!原因は数メートル離れた街路樹の地中にのびた根っこだったのです。年月をかけて根が水道管に並走して成長し巻き付いたのです。
根にはくっきりと水道管の跡が…大蛇のように水道管に巻き付き、ねじることにより亀裂が入ったのです。
木の根の成長スピードはとても速いようですがいつから危険な状態だったのかは定かではありません