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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2023/12/07 

Vol.444 「an.an ~温活・環境編~」

執筆 院長 小林真哉

今回のan.anの編集者の方もとても勉強熱心な方で様々な視点での洞察・質問がありました。
事前の複数回のメールのやり取りおよび長時間にわたる取材インタビューの過程ではとてもいいミーティングが出来ました。
皆様自身が既に経験している厳しい夏と継続する暑さ、穏やかな秋が短めで冬に突入する気候に関する質問とそのあたりが体に与える影響について、医師で気象予報士としてのコメントの要望です。
事前にペーパードライバーならぬペーパー気象予報士であることは重々、告知してありますが…
質問表には気象庁のHPの資料も添付され、意気込みが感じられました。
気象庁の発表(3か月予報・1か月予報・寒候季予報)から読みとれることは、比較温かく過ごしやすい暖冬になるのではないかという予想です。
実際に足助病院も、厳しい気候(酷暑・厳寒期)には外来患者数・入院患者数は増加し、穏やかな気候(春・秋)には数が減ります。暑さが長引いたりして穏やかな時期が短くなるとテキメン病院が忙しい時期は長引きます。
また、平熱の維持は免疫細胞を正常に維持する効果があり、逆に体温の低下は免疫力の低下を示すとされていますので体を温め平熱を維持することはとても大切なことです。
そこから温活につながるのですね。
その他、気候に関しては、寒気・低温がフォーカスされますが湿度も気を付けておいた方が良いです。
幸い今年の冬は比較的降水量が多い予想ですので極端な乾燥は少なさそうですが、乾燥は皮膚トラブルの元でもありますので体を守るという意味での皮膚は大切でこの辺りも免疫力に関わると考えられます。
また、気圧の関しても留意が必要です。
気圧が下がって天気が崩れるといった気象の変化で症状が悪化するのがいわゆる“気象病”の特徴だからです。
更には、暖冬であっても気温差によって身体機能調節する自律神経の過労でエネルギー過剰消費のために起こる“寒暖差疲労”に要注意です。
1日の気温差が7度以上ある日や、前日との気温差が7度以上ある日に症状が現れやすいとされています。
衣食住でいえば、住の部分でも暖かく過ごし、部屋間の温度差に留意することはヒートショックに伴う事故防止にもなります。
皆様、お気をつけてお過ごしください。   

※今年は気象庁によりますと春からエルニーニョ現象(太平洋赤道域の東部南米ペルー沖で、海面水温が平年より高くなる現象)が発生しており、これとは別に海洋の動のインド洋ダイポールモード現象(インド洋熱帯域の海面水温が、南東部で平常より低く、西部で平常より高くなる現象)などの影響で晩秋にかけて季節の進みはゆっくりで、高温傾向が続く見込みです。

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