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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2023/12/25 

Vol.449 「言葉を掻き出す」

執筆 院長 小林真哉

日頃から、原稿依頼・コラム投稿などを積極的に行っている私ですが、様々な機会で『言葉・言霊(ことだま)を紡いでいます』と挨拶をして格好をつけています。
ジャンル豊富なコラムへのお褒めの質問に対しては、『様々なネタは降りてくるのでまだまだ続きますね』と答えます。
この〝降りてくる〟ですが、明後日の方向から降りてくるわけではなく、自らの内面から湧き出すイメージは本来の姿でしょうか。
それをまた、〝降りてきた〟と恰好つけているわけです。

仕事の案件・企画に関しては何名の職員がこの「…君、…さん、暇? ちょっと降りてきたのだわ」に泣かされて?きたことでしょうか。(笑)
「院長先生! 紡ぐ・降りてくる・湧き出す…が、なんだ~?」
とおっしゃられる、お兄様・お姉様方が多いかもしれません。

先日、あさのあつこさんの最期の講義を拝見していて勉強になりましたのでご紹介いたします。
あの、シリーズ累計1000万部のメガヒット作「バッテリー」の著者で、現在にいたるまで数多くの素敵な書籍を出されています。
その後、ドラマ化・映画化もされています。
ちなみに、最後の講義はNHKのテレビ番組で、
「もし人生が最後だとしたら、何を伝えたいか…」各界の第一人者が語る珠玉のメッセージを聴講生と共に講義形式で語る番組です。

番組の最後の方で膨大な著書があるあさのさんが聴講生に伝えていたのです。
『言葉は書きだすのではなく、自らの体・心にあるものを掻き出すものだと思っています。』私にとってはとても刺激的でかつ素敵な表現でした。

書き出す:文章を手書きで書く、描きだす:絵を描く、掻き出す:感情の掻き出しと解釈するとなると、「降り注ぐ想いで人々の心を波立てたい」と言い・書いている私。
まだまだ掻き出せていない自分を反省し、より掻き出せるコンテンツを持つ身に成長しなければと考えさせられる時間でした。

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