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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2024/04/08 

Vol.476 「アイス棒」

執筆 院長 小林真哉

Vol.469のコラム では、人の立ち姿・姿勢に触れました。
今回はこれから気温が上昇してくると恋しくなる食べ物のアイスクリームのお話です。
「アイスと姿勢?なんのこっちゃ」と思われている方もお見えかと思いますが、アイスに刺さっている棒(通称アイス棒)のお話です。
アイス棒とは、アイスクリームやアイスキャンディーを持つために使用される棒状の資材で、手に持って食べることができます。
その棒がジグザグならぬ斜めになっているアイスキャンディーについてです。

創業昭和20年の人々に愛され続けてきた大阪戎橋商店街の北極アイスさんのホームページには、【棒は抗菌作用のある奈良県吉野産のひのき・香り柔らかな杉を利用しております。香りが豊かなので、アイスキャンディーの棒を集めて入浴剤としてお風呂に入れるお客様もいらっしゃる程です。斜めに刺さっている理由は最後まで味を楽しんでもらえるよう、落ちにくく、食べやすくするためです。原料は練乳、コーンスターチと、砂糖の純度が極めて高い白双糖を使用してこだわっています】とありました。
斜めに入れる角度も15度で、傾けるのはすべて手作業、とても細かい技術が必要な職人技で1日4,000本のアイスを丁寧に作っているそうです。
加えて、昭和20年、発泡スチロールがまだない時代に、日本で最初にドライアイスのサービスを始め、普通の箱でも長時間アイスが溶けないようになったようです。
そして、斜めの棒は、棒を外側に向けて箱詰めすることで箱に大きなスペースを確保され真ん中にドライアイスを入れる空間が生またそうです。
そして長時間(約8時間)保冷でき、溶けやすいアイスクリームが手土産として利用できるようになったとのことです。
大阪から東京は新幹線で3時間あまりなので余裕で手土産できますね、今では年間の販売数は100万本だそうです。
しかし、100万本、手作業で斜め15度に入れるのも大変ですね。

数多いライバルの中で長く愛され生き残っていくためのアイデアとこだわりはとても勉強になります。
基本には一切手抜きせず、お客さんのことを熟慮した心配りは、医療の世界にも当てはまると思います。
そして、このような情報に触れ、生かすことはまさに日頃から言っている「アンテナ高く、異業種連携に心掛ける」ことですので大切にしてこれからの運営に生かしていきたいと思います。

次号は、アイスについて少々掘り下げてみます。

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