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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2024/04/22 

Vol.480 「おっさん」

執筆 院長 小林真哉

世に言う、おじさん・おっさんのカテゴリーに分類される世代の私ですが呼ばれてそんなに心地よいものではありません。
ちなみに、ある調べでは、オッサンだと思う年齢は…42.9歳 でオッサンだと感じる瞬間は、加齢臭がする・会話がズレている・自分の年齢を口にする・身なりに気を使わない・ダジャレや武勇伝を言うなどが挙げられるようです。
皆様、気を付けましょう。
今日は、そんなおっさんではなく、おっさんに関わるお話です。

足助病院看護部も、人としての尊厳を大切にするACP(advanced care planning)
・人生会議からの流れで〝看仏連携〟なる世界に足を踏み入れています。
元々、看護の世界にはエンゼルケア(逝去時ケア)と称される死後に行う処置、保清、エンゼルメイク、ご家族への対応などを含む臨終後に関わる領域があります。
〝看仏連携〟はその先の世界観ともいえるかもしれませんが、少々、耳慣れないフレーズですので解説させていただきます。

当院の診療圏には多くのお寺があり、全国には約75,000あり、コンビニの約56,000よりも多いのです。
また、それぞれのお寺には歴史・自然・空間・時間の4つの資源があるとも言われています。
今までは、臨床に関わる医師は、人の健康と病を取り扱い、更に看護は亡くなるまでを支えて僧侶は葬儀から登場するのが定石でした。
視点を変えて、看護師が人生の最期の人々を支える「主役」であり、亡くなる人の最期の時相には明確な境目がありますが、その人を取り巻く人々の時相と感情には明確な境目は無く、そのシームレスな(境目のない)領域に関わり心地よいバトンタッチをするために僧侶の方々と協働するという試みです。
まだ始まったばかりの取り組みですが、より深い〝想う医療〟に展開していく予感がしています。
今後の看護部の取り組みに期待しています。

表題のおっさん(お、にイントネーションを置く場合)に戻りますが、「」は、和尚の「和」で、「和尚さま」が略されたのか訛ったのか「おっさま」となり、「和尚さん」が「おっさん」となったとされ、ほど良い堅さと柔らかさを兼ね備えている点こそが重宝されているようです。

これから、院長として和尚さんにお会いする機会があると思います。
その時には決して、『こんにちは、今日はよろしくお願いいたします。ところでおっさんはどちらから……』とおっさんとイントネーションの場所を間違えないように対応しようと心するコラムとなりました。(笑)

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