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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2024/05/09 

Vol.483 「JMAT ~令和6年能登半島地震~」

執筆 院長 小林真哉

皆さん、表題のJMATをご存知ですか。
報道等でよく見聞きするのはDMAT(Disaster Medical Assistance Teamの頭文字をとった災害派遣医療チーム)は災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チームで医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成されます。
日本のDMATは阪神・淡路大震災の教訓から平成17年4月に発足しています。
今回ご紹介する、JMAT(Japan Medical Association Team:日本医師会災害派遣チーム )は、被災者の生命及び健康を守り被災地の公衆衛生の回復、地域医療の再生支援を目的としています。
当院は2024年5月6日~5月8日の間にJMATとして石川県輪島市に派遣され、私と看護職員・事務職員・放射線科職員の4名のチーム編成で医療支援活動を行ってきました。
今回我々に課せられた使命は、老人保健施設やグループホームの入所者さんの褥瘡処置・健康管理と地域の開業医の先生の医療支援です。
実際の業務は、地元の大学の先生方(医師・看護師)の実地・リモート診療のサポートが多く、現場の方々のテキパキとした処置実施はとても素晴らしく、この経験を元に当院も再度自らを見つめ直す機会となりました。
今日は、行程での地震被災地の現状についてもふれてみます。
名古屋から金沢までは、しらさぎ-北陸新幹線と乗り継ぎ向かい、金沢から輪島にはレンタカーを利用して車で向かったので被害の大きさを如実に実感しました。
道路事情は想像を上回る損壊状況で、発災直後から雪の時期を含めてこれまでの4か月間の復旧活動のご苦労に心寄せると共に今後の復旧の道のりの険しさを考えさせられました。
輪島市内は損壊した家屋・道路がいたるところに有り、家屋は傾いたり一階が潰れていたり多くの電柱が斜めになっていたりしていました。今まで基本的に平らな地面しか体感することがなかったので、私の文章力で現状が伝わるのかは甚だ不安です。
いたるところの地面が波打ち隆起し、亀裂が入っているのが2024年5月8日の現状です。今回の経験は極めて貴重で、多くの示唆を含む内容なので折に触れてご紹介できればと思います。
改めまして石川県能登地方を震源とする令和6年能登半島地震によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。
また、被災者の救済と被災地の復興支援のために尽力されている方々に深く敬意を表します。

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