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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2024/05/13 

Vol.484 「絶対音感?」

執筆 院長 小林真哉

ある講演会での出来事です。
通常の講演は、動画・静止画をちりばめたり、アニメーション効果をふんだんに使い聴衆を飽きさせない工夫をして自らの話のタイミングでスライド送りをするのが通常です。
今回は短時間の講演依頼でしたので、背景に動画を流しながら自らは何も見ることなく聴衆に向けて講演をするという新たな挑戦をすることにしました。

私自身が講演のコンセプト・流れ・デザインを職員に伝え、各々が場面に合う写真・動画を持ち寄ることから作業は始まります。
職員の意識も高く、眼も肥えており素材はすぐに集まります。
そこから、要となる職員がセレクションに入り私に意見を求めてきます。自らもこだわりの素材を追加し作業に加わります。
その後、話の場面展開・起承転結を職員に伝え理解してもらい動画編集作業です。当院の動画作成部局の能力は高く質の高い作品に仕上げてきますので最終調整後、動画部分は出来あがり、最後、エンディングとB.G.Mを挿入すれば完成です。
今回は、動画の流れと曲調の共奏から自らSAXを吹き収録したYou raise me upにしました。

講演会には、動画の展開と話す内容をピッタリ合わせるようにして臨み、当日は、動画を一切見ることなくピタリと講演を遂行した結果、会場の聴衆にもどよめきが起こり、職員を喜びと達成感に導くミッションを遂行できました。

講演終了後、或る年配の他施設の男性職員から声を掛けられました。
男性『院長先生、いい講演でしたね。内容・動画もとても良かったけれど、B.G.Mの曲調が良かったですね。話のテンポ・内容にぴったりでしたよ!』
私『そうですか、ありがとうございます。職員の協力のおかげですよ!』
男性『そうなんですね、ちなみにB.G.Mは先生が弾いているんですよね!
バ・イ・オ・リ・ン!』
私『あ、ええ、僕がSAXを吹いていますよ!』
男性『あ~そうですか、SAXだったんですね。私、絶対音感が無いもんで…』
私『……、私もないんですよね~絶対音感は…』
(う-ん!違うんだけどな何かが…まあいいでしょ…でもな~バイオリンは弦楽器でしょ、SAXは管楽器だけど…)と私は心密かにつぶやくのでした。

絶対音感:音楽や音を聴いたときに、他の音と比べることなく、その音の高さを直感的に正確に判別できる能力

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