皆さん、『ロジスティック』という言葉をご存知でしょうか?
私はかつて研究で統計解析した際、ロジスティック回帰分析という手法を用いた記憶がありますが、最近はあまり関わるようなことがありませんでしたが、最近、『ロジ』という言葉を耳にする機会がありました。
災害派遣チームの構成員の中に医師・看護師・薬剤師・業務調整員(事務系が担うことが多い)という役割がありますが、この業務調整員のことを通称『ロジ』と呼ぶのです。
元来、ロジスティクス:Logistics:兵站(へいたん)は有事での物資の補給や資器材の管理,部隊の展開や維持などに係る後方支援活動を意味し、一般社会では必要な原材料の調達,生産,在庫管理,輸送,販売まで物流を効率的に行う管理システムのことを意味します。
災害医療現場では、医療活動を円滑化するため、情報収集、連絡、調整、通信、移動手段、医薬品の準備、宿泊地確保など、医療チームを支える重要な役割を担っており、更に彼らには“機敏・機転・気配り”の3Kと呼ばれる資質が必要とされます。
今回の輪島市派遣の足助病院JMATでは私と看護師の他に、事務員と放射線科技師に業務調整員(ロジスティック)として同行してもらいました。
元々災害医療に深い関心を持っていたこととIT関連機器の扱いに強かったので出発前から道中も機動的に活躍し、彼らの貢献は極めて高いものでした。
彼らの役割は情報管理(通信の確保・情報を収集・伝達・記録・共有、今の世の中あたりまえですが、4人で携帯していた情報端末は各々がノートパソコン・スマフォ・バッテリー・モバイルルーター・タブレット持参 )と資源管理 (資源の把握・確保・維持・移動/輸送)と多岐にわたります。
扱う資源は我々足助病院JMAT構成員、活動及び生活に関わる資機材・物品、お金などで加えて各々の移動手段・輸送手段や活動環境・生活環境整備 • チームの生活環境整備、食料の確保・提供、休憩場所の確保、宿泊場所の確保、トイレの確保も大事な仕事です。
特に足助チームは胃腸の弱めな院長のためによりきめ細やかなトイレ位置状況把握が必要でしたが、お陰様で私は憂いなく現場での診療に携わることができ、感謝・感謝でした。
資質に問われる“気配り”もぬかりなく、トイレを気にして生ものや冷たいもの・食べ過ぎに配慮している院長を尻目に、能登の新鮮な魚介類、冷たいソフトクリームをおなか一杯食べる2人は本当に頼もしくそしてうらやましく思えたJMATミッションともなりました。
(本当は食べたかった院長… 笑)