2024/06/03 Vol.490 「自家用有償旅客運送」 執筆 院長 小林真哉 表題の仕組みを皆さんはご存じでしょうか? 国土交通省のハンドブックには『バス・タクシー事業が成り立たない場合であって、地域における輸送手段 の確保が必要な場合に、必要な安全上の措置をとった上で、市町村やNPO 法人等が、自家用車を用いて提供する運送サービス』と定義されています。 当院の診療圏においては、地元想いの素敵なタクシー会社とバス会社、豊田市の運営する基幹バスが頑張ってくれています。 とはいえ、高齢化が進行し免許返上が進むこのご時世では、交通機関の将来的な対応は喫緊の課題です。 つい先日も外来通院患者さんにアンケートしたところ、自ら運転もしくは自家用車で送ってもらっている方が大部分を占めておりました。 90歳以上でも自ら運転して来院されている方々がいます。 この事実は、今後、将来にわたり病院運営を行う観点で大切なポイントです。 訪問看護・訪問診察・グループホーム・老健に出向いての医療活動や、へき地健診など地域で展開する医療を頑張っていますが、如何せん、マンパワー不足もありまだまだ力不足です。 そんな時に自らを振り返りますと約40年前の車を持っていなかった学生時代の不便さと友人に便乗する時の利便さが思いだされます。 〝ついでに〟や〝お互い様よ〟で乗り合いで移動することは大いに助かります。 気軽な気兼ねなく利用できる移動手段は、 コラムVol.260〝キョウイクとキョウヨウ〟のように目的をもってお出かけするためにはとても大切なことです。 前号で触れた議員さんの来院理由のメインは、この地域で展開する早川先生の始めた〝たすけあいプロジェクト〟の中の移動支援でしたが、今後、自家用有償旅客運送の仕組みは利用可能かどうかの議論もありました。 今更ながらプロジェクト内容を早川先生のスライドから転記しておきます。 【山村地域におけるモビリティ向上・外出促進・健康維持等を総合的に支援し、地域に暮らす高齢者の生活の質を向上させ、健康寿命を延ばすことが目的 〇「健康見守り」「移動支援」「お出かけ促進」の3事業を組み合わせて運用 〇高齢化や障害の多様化などが進むことで、支援するべき対象者に対して支援の担い手の不足感が強まっていることを踏まえて、市内の福祉団体と連携して新たな福祉的支援の取組みを試行】 現在でもボランティアドライバーは随時募集していますので、お時間・想い・ご興味のある方、病院施設棟1Fのあすけあいプロジェクト事務局までどうぞ!