MENU
green

足助病院コラム

Asuke Hospital column

2024/06/27 

Vol.497 「大人の宝探し?」

執筆 院長 小林真哉

宝探しは、大人も子供なくワクワクするものです。
幼少時には、誕生日やクリスマスに親がプレゼントを家のどこかに隠して探すような遊びをしたり、親として自らが仕込んだりした記憶がある方は多いと思います。
世の中では沈没船や廃墟・遺跡などで発見されていない「財宝」を探し出すことを宝探しと呼び、対象は黄金や宝石の遺物などといった物ですが、ビンテージのジーンズなども含まれます。
海外には宝探しのみで生計を立てるプロも存在し、対象として一番多いのが沈没船の財宝です。
ロマンなんですかね!

で、今日は『足助で宝がでるよ!』という話ではなく、猪に掘り起こされる前の地中で育った宝:タケノコ:筍のお話です。還暦を超えた友人が嬉しそうに私に写真を見出ながら筍の掘り方、見つけ方を話してくれたのですが、その光景がまさに宝探しをほうふつとさせる内容だったので筍をフォーカスしてみます。

春が旬の筍のメインは、孟宗竹(モウソウチク)、淡竹(ハチク)、真竹(マダケ)の3種です。
タケノコは漢字で「筍」で、竹かんむりに旬と解字でき、「旬」は10日間の単位であり、約10日間で竹に育つこととや美味しく食べられるのも10日間程度だから「筍」と書く漢字になったそうです。

含まれる栄養素に関しますと、蛋白質は多く、その中のチロシンはたんぱく質の元となるアミノ酸の一種です。
チロシンはドーパミンという神経伝達物質を合成する際に必要で、幸せを感じたり集中力を上げるなど、脳を活性化させる働きがあります。
タケノコの中心部分の白い粉のように見えるものがそれです。

次に食物繊維ですが、ほとんどが不溶性食物繊維で水を含むと膨らみ便の量を増やすことで腸を刺激して便通を良くします。
食物繊維が多いキャベツやレタスに比べても2倍近い量があるとも言われています。
ただし、あんまり食物繊維を大量に摂ると消化器官に負担がかかり便秘になったり逆にお腹が緩くなったりする可能性があるので食べ過ぎはよろしくありません。

友人は『頑張ってたくさん掘ったら、いい筍がたくさん取れたわ!
でも今日は、食べ過ぎてなんだかおなかの調子が悪いんだわ』と半自慢状態。
その直後、別の仲間が注文した食べ物がテーブルに届きました。
店員さん『朝取りたけのこで作った、たけのこの木の芽あえです』
友人『‥‥‥』
私と残りの友人で柔らかく煮えた美味い筍をいただきました…

コラム一覧へ戻る