先日、靴磨きが趣味という来客がありました。
事前に『幾つか磨かせて欲しい』との申し入れがあったので、私のラインナップを幾つか持参しておいたところ、
要件終了後に磨いてくれて、とても素敵な仕上がりになりました。
そのような訳で、今日は靴磨きについて掘り下げてみます。
日本で靴磨きが始まったのは、路上で生活せざるを得ない子供達が始めた第二次世界大戦後とされています。
確か、NHKの朝ドラのブギウギにもそのようなシーンが出ていました。
その彼らが現代の靴磨き職人に繋がる『シューシャインボーイ(靴を磨く少年)』で、社会が復興し成熟するにつれ靴磨きが文化として定着していき、職業としての認められていきました。
ブラシで丁寧に汚れを落とし、ワックスで磨き上げる技術は職人業で技を披露し競う大会が幾つもあり、『シューシャイニング・チャンピオン・オブ・チャンピオン』は、歴代チャンピオンが集結する、王者の中の王者を決定する大会で競技では職人が3足の靴をそれぞれ15分ずつで靴を磨き、美しさ・バランス・所作の3基準を8名の審査員が判定を行います。日本人チャンピオンも誕生しています。
かつては、靴に美しいツヤを出す方法として靴墨に唾をつけて磨く『スぺットパレシ(spit and polish)』の技を競っていたようです。
勿論、 現在ではスぺットパレシの技は唾ではなく水を使用して行っていますのでご安心ください。
『シューシャイン・スペットパレシ』してますなんて、お洒落ですね。
彼が自らの出来栄えと私の反応に満足して帰った後に、職員に靴を自慢気に『どうだね!この磨き抜かれた靴は!足元は大切なので君たちも、手入れは気をつけなさいよ』と話している傍で若手の男性職員が、
『院長! テッカテカじゃないですか、靴の先までテッカテカ!テッカテカ!』
それを聞いていた、上司(女性)が
『私も靴が好きなので気になるんですよね、来客の方の足元と手入れの方法が』
『あと、さっきからすごく気になるのが、○○君!磨かれた靴はテッカテカじゃなくてピカピカでしょうよ!』
靴の表面を自分の顔が映り込むほどに光沢を出す磨き方は「鏡面仕上げ」「ハイシャイン」「ミラーシャイン」などと呼ばれ、この場合の仕上がり具合はどの記載もピカピカにすると表現されており、テカテカとは記載されていません。
『うむ!確かに、〝ピッカピカの一年生♪〟は良いですが、
〝テッカテカの一年生🎶〟では、少々、興ざめですね~ ○○君!』