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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2024/08/26 

Vol.511 「拘る(こだわる)」

執筆 院長 小林真哉

ん?また、漢字の読み遊びのコラムかなと思われたあなた、院長コラムの上級者ですね。
これまで、幾つかの漢字の由来・読みに関わるコラムを掲載してきましたのでそのように感じていただける方もいらっしゃるかと思います。
しかしながら、今日のネタは純粋に“こだわる”です。

先日、当院の職員との飲食の会での出来事です。
何気なく職員Wの発言が引っかかりました。職員K(結構、お酒が入ってた)も加わり、チョットしたディベート(議論)となりました。
本来は、聞き流されてしまうような些末なフレーズだったかもしれませんが、日頃からコラムネタ探しもかねてアンテナ高めの私なのでこだわってしまったのです。
職員W 『実家でジャガイモを生産していて、馬鈴薯とメイクイーンの銘柄を扱っています』と話題になりました。
私 『そうなのだね、ところでジャガイモと馬鈴薯は総称として同じ意味じゃないのかい?』
職員A 『あー確か、馬鈴薯は、ジャガイモの分類の一つですね…』
普通の宴会での会話なら次の話題に流れますわね…しかしながら、私は面倒くさい人種なのでこだわります。
私 『なんだか、今までジャガイモ=馬鈴薯と思って生活してきたけど…』
職員W 『このネタでここまで盛り上がるとは…正直、びっくりです』
そんな訳で、深堀してみたところ、ななんと、あのNHK朝ドラ『らんまん』の主人公の植物学者・牧野富太郎博士の書籍“植物一日一題”に辿り着きました。
その書籍の結論から言いますと、ジャガイモ≠馬鈴薯だということです。
文章中には『こんな間違った名を日常平気で使っているのはおろかな話で、これこそ日本文化の恥辱でなくてなんであろう』と辛辣な文章表現がされています。
しかしながら、徳川時代(1800年初頭)からジャガイモ=馬鈴薯とされ通用されているのも事実で、こちらに対する訂正・批評の文章が展開されています。
詳細を知りたい方は、青空文庫の書籍をお読みください。
うーん。
200年後の令和に生きる我々は、どちらを選択すればよろしいのですかね?
いつの日か、植物学者の権威の方にお聞きしてみたいものですが、結局、足助病院職員W、K、院長は誰が正しく、正しくなかったのでしょうか?
とはいえ、〝こだわる〟ことにより、私の知識が増えたことは確かなことです。
なんとなく、悦に入りながら院内を歩きながら見かけた〇君に
私 『○君!カフェオレとカフェラテは違うものだよね?』
職員○『院長!次回のコラムで掘り下げてください!急いでいますんで』…

ほっ、次のコラムネタね! よしよし…

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