友人と共に焼き鳥屋さんでの会食のひと時のことです。
なんやかんやととりとめのない話に花が咲き友人たちの飲酒量は増え盛り上がっていました。
お休みの日の夕ということもあり、お店は満席でにぎわっていました。
1時間も経過した頃でしょうか、煙たい感じがして目がしばしばするな思ったら(焼き鳥屋さんなのであまり気にかける人もいなかった様子)、突如、けたたましい火災報知機のベルが鳴り響きました。
時々遭遇する火災報知器の音は誤検知が原因なのか何事もなく僅かな時間で止まるのが一般的ですが、今回はなかなか止まりません。
食事の手を止め出口を確認し成り行きを見守っていると、店員さんは出火の有無の確認後、各テーブルに『大丈夫です、すみません』と回ってくれました。
我々は、おなかもいっぱいになってひと段落したところだったのでお店を後にしました。
外では、消防・警察車両が到着し、消防士がビル全体を点検中でした。
結局、ビルのどの店が原因なのかは分かりませんでしたが大事には至らなかった様子でしたのでなによりでした。
『報知機が鳴り響いたあの瞬間、如何に行動するのが正解なのか』については、改めて考えさせられた次第で、火災報知機を見つめ直してみました。
代表的な住宅用火災報知器には、煙を察知するか熱を察知するかにより種類が分けられます。
一般的には寝室・階段室などは煙式(光電式)で煙が機器に入ると音や音声で火災の発生を知らせます。
火災の種類にもよりますが炎が立ち上がり高温になる前に煙が蔓延することが多いので、寝室や階段室には煙式(光電式)の設置が義務付けられています。
ちなみに、煙の検知の原理ですが、機器の中で通常は遮光版遮られて直進する発光ダイオードの光が受光端子に届かないのですが、煙が入ると乱反射して受光端子に届く仕組みです。
台所など一般的に煙が出やすい場所は周辺温度が一定の温度に達すると音や音声で火災の発生を知らせる熱式(定温式)が多いそうです。ちなみに、炎が上がり周囲温度が60度以上になると報知するようです。
確かに焼き鳥屋さんや鰻屋さんのように大量の煙と湯気が出るお店では煙式(光電式)では、誤作動ばかりになりそうです。
ちなみに院長室は煙式で当院厨房も熱式です。
皆様、このコラムを契機に身近の火災報知機に目を向けて、報知器の露出面を見てみてください。
多くの報知器は煙を取り込む集煙口がありますね、火災の初期から発生する煙を検出し早期に発見できるため煙式を設置するのが基本だそうです。
熱式はなかなか見つけれないかもしれませんね?