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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2024/09/19 

Vol.517 「重陽(ちょうよう)の節句」

執筆 院長 小林真哉

足助病院の提供するお食事の話題です。当院は、医療・福祉・介護をシームレスに繋ぐ医療を展開しているのはご承知のことと思います。その中でも基本は個々の健康管理であることは言うまでもありませんし、始めの一歩は食です。
当院栄養科も様々な工夫を凝らした食事の提供を心掛けています。
単調になりがちな入院生活での〝旬を意識した〟食事提供は皆様に喜ばれます。
先日の病院食は栗ご飯に茄子のお浸し、葡萄と汁物でした。
そして、料理の脇には〝重陽の節句〟と書かれたシートが置かれていました。

本日は春夏秋冬の四季を彩る節句を掘り下げます。一般的に、節句とは季節の変わり目のことで、無病息災、五穀豊穣、子孫繁栄を願い、旬のものをお供えし食べ邪気を祓います。端午の節句はすぐ出てきますが、実は五つあるのですが、皆様は幾つ言えますでしょうか? 私は…‥でした。

以下に列記いたしますので復習してみてください。
・1月7日 人日(じんじつ)の節句=七草の節句 七草粥を食します。
・3月3日 上巳(じょうし)の節句=桃の節句 ちらし寿司を食します。
・5月5日 端午(たんご)の節句=菖蒲の節句 柏餅を食します。
・7月7日 七夕(しちせき)の節句=笹竹の節句 そうめんを食します。
・9月9日 重陽(ちょうよう)の節句=菊・栗の節句 栗ご飯を食します。
それぞれ、七草、桃、菖蒲、竹、菊、と植物に彩られることで季節感が増します。

今回メインで提供された栗と茄子は、共に栄養価の高い食べものです。
栗は主にカリウム(体内の水分量を調整し血圧を正常に保つミネラル)、
葉酸(新しい赤血球を作ったりDNAの合成に必要なビタミン)、ビタミンC、食物繊維といった栄養素が含まれます。
本来、夏野菜である茄子ですが、秋には昼夜の寒暖差や柔らかな日差しの影響で、皮が薄くて柔らかく水分を含んだ実に変化します。
もちろん、ビタミンやミネラル、食物繊維も豊富に含まれていますし、加えて抗酸化物質であるポリフェノールが含まれています。
皮の紫色は、ブルーベリーなどと同じアントシアニン色素なので、視力や眼精疲労の改善にも効果的です。
となると、栄養面から考えると皮ごと食べるのがよろしいようです。

蛇足ですが、茄子は英語でeggplant(卵の植物)です。
語源はアメリカのナスの形が白く丸く、見た目が卵そっくりだからだそうです。
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