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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2024/10/03 

Vol.520 「改めまして平均寿命」

執筆 院長 小林真哉

足助病院で、自らが所属する大学病院や大規模病院の研修指定病院から地域医療を学びに来ている研修医の最初のカルチャーショックは、当院の通院・入院患者さんの年齢の高さとお元気さです。
彼らはホームグランドで、様々な年齢層の患者さんと救急患者さんに関わりますが、概して年齢層は当院よりは低めです。
当院診療圏の方々はいわゆる健康寿命が長く元気な方が多いです。
平均寿命が延びている現代では、健康寿命に留意して延伸する努力が大切です。

厚生労働省によりますと2023年の日本人の平均寿命は女性が87.14歳、男性が81.09歳で前の年より女性は0.05歳、男性は0.04歳上回りました。
ちなみに男女合計の健康寿命は74.1歳となっています。

改めて平均寿命とは、「0歳時点での平均余命」を意味する言葉ですので、今生まれた0歳の子どもがあと何年生きられるのか、その平均値を求めた数値です。
世界保健機関(World Health Organization:WHO)が公開している世界の平均寿命に関する2022年のデータでは、男女合わせたもので日本は1番です。

長い国は84.3歳-82.6歳の間に、順に日本・スイス・韓国・シンガポール・スペイン・キプロス・オーストラリア・イタリア・イスラエル・ノルウエーが並びます。
短い国では、61歳-50.7歳と開発途上国のシエラレオネ・ジンバブエ・ギニアビサウ・チャド・キリバス・モザンビーク・エスワティニ・ソマリア・中央アフリカ共和国・レソトが並んでいます。

日本の場合は、戦後直後の1947年で50歳、1951年に60歳、1955年時点では男性63.60歳、女性67.75歳といずれも平均寿命は60歳台でしたが、2020年には男女ともに80歳を超えており、65年間で17~20年間ほど寿命が延びました。

ちなみに、2060年・今から35年後には男性が 84.19歳、女性が 90.93歳 となり、女性の平均寿命が90年を超えることが見込まれています。
私自身は、2060年に足助病院の姿を見ているとしたら、女性の平均寿命も超えていることになります。
どうなるかは神のみぞが知ることではありますが、可愛らしく年を重ねることは素敵なものだと足助病院の利用者の皆様から学ぶ、今日この頃です。
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