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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2024/10/10 

Vol.522 「へぼ考」

執筆 院長 小林真哉

先日、医師仲間と某所でしし鍋と山菜天ぷら等を食する機会がありました。
初めてのジビエ料理の人もいて、大いに場は盛り上がりました。
皆、口をそろえて
『臭みもなくとても美味しいです。院長!ちなみにお肉のお代わりは?』
と、とても好評でした。

そんな折、へぼの話題になる最中、御大(早川先生)が鶴の一声、
『足助に来たら、へぼを食べたらどうだ!各テーブルにへぼ!持ってきて!』
思いだしました。
足助病院に赴任した当初、早川先生との昼食の場を
早『小林先生!これ、地域の人が差し入れてくれたへぼね!』
と、私の了承はなく躊躇なく私の白米に振りかけてくれた光景を…
小『早川先生、私、へぼは初めてなんですがこれはなんですか?』
早『あっ!地蜂の幼虫を煮たもんだね。なかなか美味しいんだよ』
私の目の前には白米の上にやや黄がかかった幼虫と黒い成虫が端座していたのでした。
ある意味での足助病院での洗礼を受けたわけです。
小『これって、虫ですよね! ちょっと勇気がいりますね!』
早『えーっ!駄目だね。小林先生はシティーボーイだね、なら、こっち…』
と、白い大きなタッパに入ったなにかの煮物です…
小『この流れでは、警戒せざる得ないのですが、何ですのこれは?』
早『あーっ!取れたての猪の肝の味噌煮込みだね』
小『うーん! またの機会に…』
こんな〝へぼい〟過去を持つびびった私の想いをしり目に、若手医師たちは女医さんも含めてパクリパクリと口に入れながら
『へーっ! 意外にいけますね!』と
次世代医師たちの逞しさを実感したひと時でした。

ちなみに、かつての私に当てはまる〝へぼ〟は、
技術や技芸が劣ることや野菜・果物の出来の悪いことを指しますね。

職域が職域だけに〝へぼ医者〟ん?〝藪医者?〟と呼ばれないように
更なる精進を続けます! お後がよろしいようで……
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