前回のコラムで、2024年12月4日発売an.an2425号特集の告知の前振りで〝寅さんシリーズ〟に登場していただきました。
どうしても触れたいシリーズがありますので続編です。私の最も好きなシリーズ物は〝釣りバカ日誌〟です。
昭和を代表するシリーズが〝男はつらいよ〟なら、平成を代表するシリーズは〝釣りバカ日誌〟でしょうか。
主演の西田敏行さん、三国廉太郎さんらの名優が演じる人情喜劇が何とも心を波立たせるのです。
万年ヒラ社員のハマちゃんこと浜崎伝助が、スーさん(実は社長の鈴木一之助)の友情を中心に、
ハマちゃんの釣りバカぶりがもたらす珍騒動が描かれます。
映画〝釣りバカ日誌〟は1988年、「平成」の時代に生まれ、延べ22年間で全22作の長寿人気シリーズです。
特に主演の西田敏行さんは、あの絶妙な恰幅の良さと人の好さと適当さが素敵でした。
でした…と表現しなくてはならないのはとても残念ですが、2024年10月17日亡くなられました。
最新作ドクターXでは蛭間重勝(院長代理)役を務め公開を待つ時期でした。
こちらは、医療界に関わる役柄で親しみを持って楽しみに待っていました。スクリーンで観られる日を心待ちにしています。
また、歌手としても活躍されて、レコード大賞受賞曲〝もしもピアノが弾けたなら〟は私のSAXの(カラオケの)レパートリーの一つです。
とりわけ効率化が求められる現代社会ですが、医療関係者、職員教育に特に重きを置いている足助病院では日々、皆さんに説いています。
『人として医療人として組織の一員として、最も大切なのものはEQ(Emotional Intelligence Quotient:感情知性)、
すなわち人の気持ちがわかり寄り添える能力です。そして、自らの仕事ばかりに執着するのではなく、傍を楽にすべく働くことも大切です。
仕事は、良い加減に執り行ってください』と
ハマちゃんのような人材は組織にとって大切です。ハマちゃんは釣りバカで遊んでばかりいるようで、
その人脈を生かして大きな契約を成立させる優秀な営業マンの一面もあるように描かれています。
そのような、愛すべき社員が存在し続ける組織には魅力と余裕があるのです。
「悪魔が来りて笛を吹く」「西遊記」「池中玄太80キロ」「白い巨塔」「ドクターX」「敦煌」「おんな太閤記」「翔ぶが如く」「八代将軍吉宗」…
と本当に多くの作品に出演されていて、振り返りたい代表作が目白押しです。これからも、幾度となくお会いできそうです。
安らかに…