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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2024/12/16 

Vol.539 「レフリー」

執筆 院長 小林真哉

様々な競技にて重要な役割を果たすのがレフリー(審判)です。
パリ五輪でも幾つかの競技でその判断についての議論がありました。
その他の大会においてもレベルが高くなればなるほど、紙一重の戦いが繰り広げられるのでレフリーも大変です。
遠い昔の学生時代、お互いの対戦チームから線審を出して交流戦を行っていたのを思い出しましたが、人生や国威を賭けての戦いではミスは許されません。
とは言え、人間の行うことですから偶発的なミスはあるかもしれません。そのような、ミス(勘違い?)を補うのが様々な機器になります。
私の大好きなサッカーの世界では、ビデオアシスタントレフェリー(VAR)が導入されてていますが最終判断はヒトに委ねられています。
今日は、速さを競う陸上競技について掘り下げてみました。
昔、学校にはストップウオッチが体力測定の50m走などでは活躍していましたが今はどうなんでしょうか?

1896年開催のアテネオリンピックでは手動計時で走種目のタイム計測してました。
ゴールで待機し、音が届くまでの時間を考慮して号砲の先から立ち上る煙を見てから時間を計ります。
人的誤差をなくすためには計時員を複数配置しタイムの平均値を記録としていました。
この場合に使用されていたストップウォッチは1/10秒刻みですので、記録も秒未満の表示桁数は一桁でした。
現在は2009年のボルト選手の100m世界新記録の9秒58のように二桁の世界です。
これが手動計時(アナログ)と電動計時(デジタル)の違いです。

1964年の東京オリンピックでは手動計時と電動計時が併用され、1977年からは電動計時の記録が国際陸連の公認となりました。
号砲からの0.100秒未満にスタートするとフライングとみなされる陸上競技で、現在は1000分の1単位で対応される機器が導入され審判の判断の補助をしています。
日本の精密計測メーカーの機器がゴールシーンおいても1秒間に2,000枚を撮影するフォトフィニッシュカメラで撮影、つなぎ合わせた画像を元に審判が一人一人の着順とタイムの判定を行います。
実際、パリ五輪の100mは1000秒分の5秒差でした。

ちなみにレフリーの語源は、英語のリファ(委ねる)から来ており、選手は委ねているので文句は言わず尊重するのが基本です。
レフリーは様々な競技に存在し歴史が深いです。また、現代に準じた変化を遂げています。
折に触れて、掘り下げてみたいと思います。
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