世の中に些細なことが大事になることが時にあります。
大事に至る前に気が付いて対処できれば良いのですが、思いもよらないところで影響は及ぶので注意が必要です。
特に、観光地などでのごみ問題は社会現象化しつつあります。
富士山のごみ問題はマスコミでもよく取り上げられますが、マスクが一番多く、
飲み残しの飲料の入ったペットボトル・ビニールの雨具・ヘッドランプ・壊れたストック・登山靴・衣類……様々なものがあるそうです。
様々な場面で、自ら持ち込んだものは自ら持って帰ることは基本です。
一人一人のマナー遵守がとても大切なのです。ここでも、自助・共助・公助の精神です。
チョットした気のゆるみが、我々の知らないうちに、環境が変化してしまうことがあるので、
今日はそのような事が起こりかけた実話をご紹介します。
米ニューメキシコ州の洞窟の国立公園で、観光客が洞窟内に落とした持ち込み禁止のスナック菓子が洞窟の生態系に大きな影響を与えたというお話です。
スナック菓子に含まれる加工トウモロコシが湿気で柔らかくなり、微生物や菌類が繁殖するのに最適な環境を作り出し、
それらを餌とするダニ、クモ、ハエの一時的な食物網が出来、周辺の洞窟や地層に栄養分をまき散らされ、
結果、発生したカビがさらに高い場所へと拡散し時間をかけ環境を破壊するという話です。
早期発見対策により事なきを得たそうですが、以下のように警告を呼び掛けています。
「人間のスケールにしてみれば、スナック菓子の袋を落とすのはささいなことに思えるかもしれない。
だが洞窟の生命にとって、それは世界を一変させ得る。
また、飲料水以外のものを飲んだり食べたりすれば、動物を洞窟の中に呼び込んでまた環境を破壊してしまう」と警告しています。
正に米国の気象学者 ローレンツ博士による〝バタフライ効果〟です。
博士のある講演のタイトル「ブラジルで蝶が羽ばたくと、テキサスで竜巻が起こるか?」という比喩的な表現に由来する表現で、
「極めて小さな原因が大きな影響を及ぼす可能性があること=初期値鋭敏性」を意味します。
勿論、ごみのポイ捨てはもっての他ですが、日常生活ではあんまり細かい事ばかり気にせず〝良い加減〟に過ごすのがよろしいと思います。
そう!当足助病院では〝細かい院長〟を〝大らかな良い加減の素敵な職員〟が頑張って支えることで、
〝想う医療〟を展開・提供できているのですね!