MENU
green

足助病院コラム

Asuke Hospital column

2025/02/03 

Vol.550 「OJT」

執筆 院長 小林真哉

先出のコラムVol.549 TKGは卵かけご飯のことでしたが、今回の表題OJTはややお堅い内容となります。
OJTとは On the Job Trainingの略で、第一次世界大戦中のアメリカで発案された教育法の1つで、
実際の仕事を通じて職場の上司や先輩が、部下や後輩を指導して血の通ったより実践的な知識・技術などを教える方法です。

医学部教育の場でも、似た手法がとられ、座学や見学のみの臨床実習から参加型に変革しています。
学生や研修医のホームグランドである大学病院や基幹病院はもとより、
足助病院やクリニックのようにより地域に近い医療機関の果たす役割の重要性は増しています。
運営方針の1つに教育の場の提供を挙げている当院では、
医師・看護師を筆頭にコメディカル・福祉関係や消防関係者にも教育の場を提供して地域に還元しています。
毎年、有志の医学部・薬学部・看護学部・福祉人文系の学生さん、大学教育関係者たちと“足助医学舎”を開催して、
地域のクリニックに出向いたりへき地巡回健診参加し、更には訪問看護・診察へ同行して患者さんと直接話をし、現場での触れ合いの場が多いので好評です。

昨年などは、地域に出ていき座禅体験などの非日常を経験してきました。
院内では、外来患者さんへのシャドーイングを行っています。
シャドーとは影ですので、患者さん目線と導線で、待合から診察・検査・会計・服薬指導までの一連の流れを影のようについて経験するのです。
若く、年代的にしばらく病院にかかることのない彼らですので、患者さんの身になって考えて欲しいという企画です。
今後は、中堅やベテランの学びなおし(リカレント教育)のニーズも高まると予想されます。
自らの専門性を生かしながらも、総合診療や老年医学・福祉・介護、訪問診察などを学ぶOJTを企画して人材を求めていきたいと思います。

ちなみに、リカレント(recurrent)は「循環する」「再発する」といった意味で、リカレント教育はスウェーデン発祥で生涯にわたって学び続け、必要に応じて就労と学習を交互に繰り返す教育方を指します。

『院長OJTってなんですか? おじさんとの略語ですか!
おじさんと(ojisanto)違いますか? TKGとは別の食べ物ですか?』

のような発言する、くいしんぼう職員は当院にはおりませんよね~!
コラム一覧へ戻る