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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2025/04/14 

Vol.568 「医療ビッグデータ」

執筆 院長 小林真哉

私自身もデータに関しては医学部生時代から避けては通れない領域でした。
医療統計学という難敵の必須科目もあったような記憶もあります。
最近では、医療の世界もビッグデータなしには語れませんので少々お勉強です。
 
我々が日常的に使用している電子カルテには診療記録・健康診断記録、調剤記録など、多種多様なビッグデータが含まれます。
それぞれが、年齢・性別・居住地などと全て紐づけされているわけですからとてつもない貴重なデータな訳です。
個々にとっては、独自の健康管理や疾病予防に活用できるので、健康増進や医療・介護サービスの利用に役立ちます。
医療界としては、疾患の臨床診療録や医薬品の副作用などが研究、新薬開発、医薬品の安全性の向上に役立つわけです。
また、様々な医療情報を格納可能なマイナ保険証も普及してきています。

【日本医学会連合 健康・医療分野におけるビッグデータに関する委員会】は
「平時にも地震などの自然災害、火災、戦争、個人に生じる急病・外傷等の発生時にも
機能する個人を中心とした健康・医療情報インフラの早期実現を目指し、
そのためには、電子カルテ機能の抜本的見直しと標準化やデータ利活用促進のための人材育成が喫緊の課題である」
と提言しています。
今後は、国を挙げて個人情報に関する健康・医療分野個別法「健康・医療情報利活用法」の制定や
マイナンバーに対して一期に連携できる医療分野IDの創設や信頼できるデータ管理機関の設置等の検討がされていきます。

医療DX・AI・自動運転…世の中はどんどん便利?になっていきます。
しかしながら、これらの技術革新は我々人が賢く有効に利用して初めて活きてくるものだと思います。
いくら技術革新の恩恵を受けて、家から一歩も出ない・出なくていい生活に魅力があるのでしょうか?
これらの進歩の恩恵を受けながら、人のみならず様々なものを五感だけでなく第六感も駆使して、
見て・触れて・感じて、心波立てる人生の方が素敵な香りがしますね。

国の報告書でも、「ビッグデータは、データ規模かという量的側面ではなく、
どのようなデータから構成されるか、どのように利用されるかという質的側面について、
従来のシステムとは違いがあるもの」と表現されています。

そうなのです! 結局は量より質が大切なのです。
食いしん坊の皆さんは、同感していただけたでしょうか? (笑)
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