今日のお題は〝国字〟です。
国字の定義ですが日本では、漢字・ひらがな・カタカナ・ローマ字などを含みますがこの〝漢字〟が少々ややこしいのですが、
「漢字に倣って中国以外の国で作られた漢字体の文字」とされています。
そもそも漢字は約3300年前に中国の殷王朝で発明された甲骨文字が源で、約2000年前に仏教とともに中国から日本に伝わったとされています。
漢字の中でも「国字」と呼ばれるのは「漢字の要素や作り方を真似して日本で作られた和製漢字」のことです。
日本で中国大陸にはなかった大和言葉や概念などを表記して日本独特の文化・習慣を表すために独自に作り出された雅な文字なのです。
もともと漢字には中国語の発音に従い音読みしかありませんでしたが、逆に国字は一部の例外を除いて「訓読み」しかありません。
現在学校で習う「常用漢字表」には2136字の漢字がありますが国字は、「働」「畑」「込」「峠」「枠」「匂」「栃」「塀」「腺」の9字だけです。
その他には「鱈」「鰯」「鮎」「鮭」「鰹」「鯱」などの魚ヘンの国字があります。
医学用語では、前コラムで取り上げた「膵」や「腺」などがあります。
共に蘭医である宇田川榛齋が江戸時代に、肉を示す「月」と全てを示す「萃」を組み合わせて「膵」、肉を示す「月」と湧き出るを表す「泉」から「腺」を造字したとされています。
内藤記念くすり博物館のデジタルアーカイブスを利用すると解体新書を見ることが出来、30/146ページに肝臓・胃の図表と共に脾臓と膵臓(新書では大機里爾と記載)が掲載されていますので
ご興味のある方はどうぞご覧ください。ただし、リアルな解剖図譜ですので苦手の方はご留意ください。
膵臓の専門家として真面目な話もしておきます。解剖学的には、胃袋の後ろにあり長さは20㎝ほどでへの字の形をしている臓器で、食べ物を消化する液を作り血液中の糖分の量を調節するホルモンも作っています。前者を外分泌機能、後者を外分泌機能と言います。とっても働き者の臓器ですが、膵臓に対する過重負担はよろしくありませんのでバランスの良い食生活を送り過度な飲酒・喫煙・過労・ストレスなどは避けるようにしてください。
特に飲酒は、日本酒なら1合以内、ビールなら500ml以内程度が推奨ですが、これを守れる人っていわゆる〝酒飲み〟とはいいませんね!(笑)