前号では茶色の誘惑にもがき苦しむ、私の愛すべき患者様をご紹介いたしました。
私の患者さん方は厳しいと感じられている方はあまりいないような気がしますが、厳しいだけが診察場での指導ではありませんね!
『おはようございます。お加減はいかがですか?』から始まる私の診察ですが、
その後は一見世間話と思われるような風景が繰り広げられます。
その中でも、華麗なる孝行息子さんには少々、厳しめに接しているつもりですが植木等さんを地で行く方なので、
なかなかてこずっております。
私には人と接するときに良く思い出すおとぎ話イソップ物語の中の古代ギリシャの寓話の一つからの“北風と太陽” があります。
北風と太陽の旅人のコートを脱がせる勝負の物語です。
旅人は冷たい北風には抵抗をしてコートを離しませんが、温かい太陽の下では自然にコートを脱ぎ、太陽が勝利します。
強制せず、自主性を尊重すべきであるという教えです。
こちらの解釈で多くの人が理解して使用しているかと思いますが、
実は北風と太陽には帽子を脱がせる勝負をする別バージョンがあるのです。
灼熱の太陽の下、日差しを防ぐため帽子をしっかりかぶっていましたが、
北風が吹いた瞬間に帽子が飛ばされて北風が勝利するというものです。
結果的に、北風と太陽は1勝1敗で勝負は引き分けなのです。
このコートの場合と帽子の場合のように、状況に応じて臨機応変に対応することが大切だという教訓で、日頃のマネージメントでとても考えさせられます。
で、なぜ、イソップ物語かといいますと、
代表作の「アリとキリギリス」「ウサギと亀」を勉強しなさいという厳しい指導のためではありません。
今回は、飴と鞭のあめバージョインを茶色の沼にはまった孝行息子さんに提言したい素敵なワードがあるのです。
皆様!“チートデイ”をご存知ですか?
チート? 英語ではcheatはだます・ズルするの意味です。だます日?
いつ、どこで、だれを?ですね。
そう、対象は自分自身の脳・体なのです。
チートデイとは、カロリー摂取制限を伴うダイエットにおいて、計画的に食事制限を解除し、一時的に摂取カロリーを増やす日のことを指します。
“チートデイ”の詳細は次号に譲りますが、
皆様もダイエット中に日頃から意識せず(がんばったご褒美の言い訳として)取り入れている行為だと思いますが、
これを計画的に行うことは華麗なる親孝行さんには至難の業なのかもしれませんが・・・・・