先日、熱中症対策関連の取材を受けていてある質問がありました。
記者さん『院長先生、最近の熱中症に対する行政やマスコミの啓発活動は十分だとお考えでしょうか?』
私『そうですね。最近は様々な放送媒体で気象の状況や健康被害の状況、対策などを頻繁に取り上げていますので、
日常的に熱中症という言葉が外来でも利用者さんから自然に出てきますので啓発活動の効果を実感しています』
そう答えながらふと思いました。
その反面、『バテてます』という表現は少し少ないのかなと・・・
そこで、「バテる」をフォーカスしてみました。
ご存知の通り「バテる」とは、すっかり疲れてしまう、くたびれて動けなくなるという意味です。
語源は「疲れ果てる」の「果てる」が「ばてる」に変わったという説と
走っていた馬が疲れて足がもつれることを「ばたばたになる」と言い、
それが縮まり「ばてる」になったという2説があるそうです。
そもそも生理医学的には、人体にはエネルギー源として糖分が筋肉などに約500g蓄えられていて、
約2000Kcal(糖質は4Kcal/1gなので)の半分1000Kcal程度は比較的早期に消費できます。
勿論、他に脂肪として多くのエネルギーが蓄えられていますが、そちらを消費することの難しさは皆さまご承知のとおりです。
最近ボディーメイキングに精進している私ですが、長年蓄積した下腹部の“お脂肪さん”には諸子同様に対応に苦慮しています。
更には、心身共に問題なのが疲労の蓄積で、日々の高温の影響・熱帯夜の不眠・クーラーによる体温調整不良や
乾燥・食欲不振・ストレスなどなど、今までの経験したことのない環境変化が私たちの自律神経を脅かす可能性が高いと思います。
その結果、熱中症は回避しても「バテる」可能性があります。
長い夏、早く来る冬で四季を感じる余裕が減ってきている最近ですが、バテの世界には、春バテ・夏バテ・秋バテ・冬バテがあります。
季節の変わり目には、自らを取り巻く環境の変化や人間関係が変化し、更に寒暖差も大きく変わりますので自律神経の乱れにも要注意です。
対策には王道はありませんが、規則正しく無理のない生活習慣を送ることです。
良質な睡眠と軽い運動をしてできる限りの栄養バランスの良い食事を摂り、
そして身体を温め(真夏でも体を冷やしすぎない適度な温活)過ごすことが“秋バテ”の回避に繋がります。
皆様!“綿のように疲れる”前に適切に対応することが肝要ですよ。
※綿のように疲れる:自立できない柔らかい綿のように、疲れて立っていられない様子からひどく疲れてくたくたになるようすを表現する言葉