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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2025/12/15 

Vol.631 「芸術の香り漂う足助病院 (豊田市美術館編 於:足助病院)」

執筆 院長 小林真哉

今年も、足助病院が美術の香りに包まれました。
ご縁で豊田市美術館の高橋秀治さんに来院していただき20世紀アメリカの孤高のリアリズム画家アンドリュー・ワイエスについて、
彼の父親との関係性と生育歴が創造性をどのように育んだか講演していただきました。
一人の画家の親子関係から死生観にいたるまでの過程を描かれた絵画と共に解説を聴くことそのものが、
この高速で流れていく日常の中でとても有意義なことだと感じた1時間でした。 

アンドリュー・ワイエス (1917-2009)は、有名なイラストレーター・画家の父を持ち、
少年時代から英才教育を受けて画才を発揮、20 歳でニューヨークのギャラリーで個展を開いて完売した才能豊かな若者でした。
その後も38歳のとき最年少でアメリカ美術文芸アカデミーと国立美術文芸協会の会員に選出され、
46歳のときケネディ大統領から「自由勲章」を授与、晩年90歳にはブッシュ大統領から国民芸術勲章を授与されました。
生まれ故郷のペンシルヴェニア州や夏の家のあるメイン州の身近な風景や親しい人物を驚異的な技術で描き続け、
アメリカの国民的画家とも評されました。
日本では1974年に東京国立美術館で初の個展が開かれ18万人が来場、
1995年愛知県美術館で開かれたワイエス展には12万 人の来場者がつめかけた日本では人気の画家です。
2026年の夏には、豊田市美術館で個展が開催されるようなので楽しみです。

話変わって、私自身はそんなに造詣が深いわけではありませんが
美術館等で働いている学芸員さんについて皆さんはどれぐらいご存じでしょうか?
美術館等で我々が普段お会いする職員さんは、受付の方と展示室で整理している方々ですが、
学芸員さんに直接会う機会は少ないかと思います。
文化庁のホームページで調べてみたところ、
『学芸員は,博物館資料の収集,保管,展示及び調査研究その他これと関連する事業を行う「博物館法」に定められた,
 博物館におかれる専門的職員です』とあります。
主な職務内容については、
『博物館資料の収集・整理・保管・保存・展示・活用・調査研究・教育普及活動等,博物館資料と関連する事業』
とありますので、真面目なコツコツと励める人が合う職種のようです。
 
今後も様々な方々と異業種連携をして、皆様が集う素敵な〝コミュニティーホスピタル〟へと成長してまいります。

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