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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2026/04/16 

Vol.663 「〝降り過ぎ〟と〝降ら無さ過ぎ〟」vol.2

執筆 院長 小林真哉

今号では、最近の日本ではあまり身近でない〝干ばつ〟についてです。
実は日本の干ばつの歴史は古く、推古天皇の頃から江戸時代までに数多くの記録があり、冷夏の凶作と並ぶ最大の自然災害でした。
かつては干ばつ⇒飢饉と作付けに直結する事象でしたが灌漑施設の発展などもあり近年は都市用水不足へ質的変化しています。
近年の代表的な渇水事象を幾つかを挙げます。

1939年:琵琶湖大渇水、琵琶湖の水位が記録的に低下、近畿圏の生活に影響
1964年:東京オリンピック渇水、「東京砂漠」の言葉が生まれた。
1978年:福岡大渇水、福岡市で287日間に及ぶ給水制限
1994年:平成の渇水全国的な猛暑により、深刻な農業・生活用水不足が発生

これらの経験から、様々な灌漑事業が展開され今の生活が担保されています。
さて一言に干ばつといっても種類があります。
干ばつには、気象・土壌・農業・水文などの種類があり事象・時系列で降水量と密接に関わりあっています。
降水量が少ない状態によって発生するのが気象干ばつで、植物生育を阻害したり森林火災などのリスクを高めます。
気象干ばつの継続が土壌水分量の低下をもたらし、土壌・農業干ばつを発生させます。
土壌干ばつの継続は地表面水や地下水量等に影響を与え、水文干ばつ(※)をもたらします。
水文干ばつは水資源供給の障害となり、社会に大きな影響を与えます。

さて基準となる降水量ですが地域間格差・季節間格差などで大きく異なりますし、
直近の降水量だけでなく累積についても考慮が必要な場合がありますが、
この複雑な状態を解析・評価するための干ばつの指数が標準化降水指数(SPI; Standardized Precipitation Index)です。
SPIは降水量を統計処理することで、各地域や各季節における干ばつの発生頻度に対応する情報に変換したものです。
うーん! 少々ムズカシイのでこの辺でマニアックなお話はお仕舞に‥・・・

ちなみに先日発表された3か月予報では、
『春は気温が高く、早い時期から熱中症への備えを少雨の太平洋側は3月も平年より雨が少ない』とありました。
皆様、今年も備えを万全によろしくお願いいたします。

水文学(すいもんがく)は、水資源の開発・保全・水と環境・水文環境の管理などに関する研究を水に関する総合科学のこと

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