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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2026/05/11 

Vol.669 「月の裏側」

執筆 院長 小林真哉

 『月の裏側って、どうなってるの?』と改めて聞かれると困ります。
だっていつも見ているお月様は表側であまり見たことないからです。

「でも、回転しているのだから待っていれば裏側を見えるんじゃないのかな」
な~んて思うのが人の気持ちですが、自転の方向が肝です。
実は月と地球は自転の方向が一緒で、地球は1日・月は27.32日です。
さらに、月は地球を中心に公転していて1周するまで27.32日なのです。
つまり月は自転と公転の周期が同じなので地球から見れば常に同じ表情を見せる訳なのです。
そして常に見える側を我々は表側と称しているわけです。
今日は、月の裏側の顔を見るロマンのある人類のプロジェクトの紹介です。

アポロ17号以降月面着陸は半世紀以上行われていませんが、
先日、米航空宇宙局(NASA)打ち上げ成功したロケットで、有人月探査「アルテミス計画」が一歩前進しました。
今回は月の裏側を通って地球に帰還するのでじっくり裏の顔を観察できるようです。
アルテミス計画は、月面への有人着陸および長期滞在を通した持続的な月探査を目的としたプログラムの総体のことで、将来の有人火星探査を見据えています。
人類が月面に長期間滞在できることで、持続的な探査と将来の火星有人探査への道筋をつけることを目指しています。

裏側の顔というと、なにかマイナスイメージですがお月様の場合はどうなのでしょうか?
こちらは日本の技術が役立っており、2007年9月に打ち上げられた月周回衛星「かぐや」の観測データより月全体の地形図が作成されました。
こちらはネット上に公開されているのでご興味のある方は調べてみてください。
明らかになった月の裏側の姿では海と呼ばれる部分はほとんどなく、クレーター跡でボコボコと荒々しい表情を見せています。
我々が慣れ親しんでいる美しく・優しい・温かい「ウサギの餅つき」に見える模様を示す表の顔とはかなり違うようですね。
医療の世界では、山岳医といって高い登山技術をもち高山病・凍傷などの特有の疾患を診ることが出来る医師がいますが、将来は宇宙医が必要となるのでしょうか?
『院長先生の裏の顔はどんな感じ?』
『実はね‥・・・なのよ』
なんて言われないように、裏表なく過ごしていきたいと思う今日この頃です。

※アルテミスはギリシア神話の月の女神(アポロの双子とされる)の名前

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