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足助病院コラム

Asuke Hospital column

2026/10/08 

Vol.710 「ウォーターハンマー」

執筆 院長 小林真哉

かつてのコラムVol.436、コラムVol.437、コラムVol.438(異業種連携 漏水診断 関連)で水のお仕事をされている方について触れました。
地中や建物内の漏水や水の出す異音を現象そのものを見ずして原因にたどり着く技術はなかなか興味あるもので、
我々の医療の世界でいう視診・聴診・触診を駆使して不具合を見つけ修復する過程が感心させられます。
ただ経験値という診断技術は一朝一夕では身につくものではなく、
私自身の診断術も6年の医学部教育と36年間の医師道邁進で培い、身に着けてきたものです。
そんな想いを再認識する機会が異業種との交流でありましたのでご紹介いたします。

ある施設の水廻りに関係する事案です。
ある部屋で水道の蛇口をひねると離れた天井から『ガタン・ゴゴ』と異音がするという報告がありました。
よくよく聞いてみると、数年来のことで別件できた業者さんに聞いてもらっても
『経年変化ですかね。きっちり検査しないとわかりませんね。少々、大掛かりになりますよ』とのことで
通常業務は問題ないので経過を見ていたようです。

それが、また別件でベテランの業者さんが来た時についでに、何気なく相談を兼ねて聞いてみたそうです。
詳細に状況を聞き、現場を見て音を聞いてから
『あ~ これ 〝ウオーターハンマー〟ですね』と即答されたというのです。
勿論、これから精密検査を行い正確な原因が分かり修理にかかる段取りですが、
やみくもに検査を組み立てるよりもある程度、想定して進める方が宜しく、
このくだりを聞いていて「これがベテランの領域だな」と得心しました。

医療の世界でも、このような事案はよくあります。
研修医や若手の医師が様々な検査データや知見を駆使してたどり着く確定診断を
初期の段階である程度予見してアドバイスをするのです。
上手くいったときは、上級医としてとても誇らしいものです。
対象がモノでも人でも、何事も真摯に耳を傾けて
(医師の場合は、患者さんの訴えをよく聞く:丁寧な問診)対応することが大切なことを改めて認識させられる出来事でした。

※ウオーターハンマー:配管内を流れる水の圧力が急激に変化して衝撃音が発生する現象

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